川崎市長選、現新3氏が立候補 現職への評価争点 投開票は22日

 任期満了に伴う川崎市長選が8日、告示された。立候補したのは届け出順に、いずれも無所属で、元市議の新人・吉沢章子氏(53)、現職の福田紀彦氏(45)、元小中学校教諭の新人・市古博一氏(69)=共産推薦=の3人。再選を目指す福田氏の1期目4年間の市政運営に対する評価などが争点になる。投票日は衆院選と同じ22日で、即日開票される。

 届け出を済ませた各候補者は市内各地で政策を訴え、支持を呼び掛けた。

 吉沢氏は、川崎駅東口で「首都直下型地震が襲うかもしれない。施策すべてに減災という視点で見直しをかけ、150万人の市民の命を守りたい」と訴えた。所属していた自民党の現職支援の方針に反し立候補したが、県外政令市の同党女性市議2人が応援に駆けつけた。その後、幸区の事務所に支援者らを集めて出陣式を行った。

 福田氏は、新百合ケ丘駅前で中学校給食実現などの実績を強調。「これから先も川崎が潤い、少子高齢化に耐えうる税収を生み出す産業政策を進める。財政規律を守りながら将来への投資を行う」と声を上げた。中原区の事務所での出陣式には、支援を表明していた自民、公明、民進のほか、希望の党の国会議員や地方議員らが激励に駆けつけた。

 市古氏は、川崎駅近くの商店街で「豊かな財政力を市民のために使うのか、大規模開発に使うのか。私は少人数学級の実現、保育園や特別養護老人ホームの増設などに使う」とし、羽田連絡道路整備を中止する考えも示した。推薦を受ける共産党議員らも応援に駆けつけ、第一声の後は選挙カーで回り、商店街や駅でも演説を行った。

 衆院選との同日選は初めてで投票率の行方も注目される。期日前投票は9日から市内15カ所で行われる。

 7日現在の市内の有権者数は122万4671人(男62万2601人、女60万2070人)。

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