老後の不安が消える!人生が変わるお金の使い方

先の見えない不透明な時代。老後に向けて身に着けるべき「マネー力」は、投資や節約ではなく「お金の使い方」だというのはFPの八ツ井慶子さん。不安を解消する方法を伺います

ムダな支出を減らしたい!家計を見直すときの注意点

先の見えない不透明な時代。老後に向けて身に着けるべき「マネー力」は、投資や節約ではなく「お金の使い方」だというのはFPの八ツ井慶子さん。不安を解消する方法を伺います。


――家計を引き締めるときには、どこから手をつけるのが効果的でしょうか?

八ツ井慶子さん やみくもに全体を引き締めようとするよりも、気になる費目、自分がつい使いすぎている費目の3つくらいに注目して、その原因に向き合う方が効果的でしょう。教育費も同様。膨らみ過ぎているなら聖域化せずに見直しましょう。習い事などにしても、子どもの意志に関係なく親の一方的な思いでやらせて、それが家計を圧迫しているなら、やはり見直しを検討した方がいいです。

“こうあるべき”“世間はどうか”という固定概念をいったん外し、「本当にこのお金の使い方で自分自身がハッピーになれるのか」を振り返ってみてください。意識が変われば行動も変わります。満足感のあるお金の使い方ができれば、無駄遣いもなくなり、必要なものに正しくお金を使えるようになりますよ。

――自分にとって「幸せなお金の使い方」が分からないという場合は、どうすれば?

八ツ井さん 自分自身の心、素直な感情に目を向けてみることだと思います。自分がどんなときに幸せだと感じるか。「なりたい自分」をイメージしてみる。そこに、自分にとって幸せなお金の使い方のヒントがあると思います。要は、「自分を知ること」ですよね。

――先の見えない不安定な時代。老後に向けて身に着けておくべき「マネー力」を教えてください。

八ツ井さん お金の「使い方」につきるといっていいくらいだと思います 。お金の使い方次第で人生が変わります。今は、銀行の利息もほとんどつかないですから、支出が総体的に重くなっています。だからこそ、支出管理の力が家計を左右する重要な時代です。やみくもに投資に走る前に、まずは支出をきちんと管理して家計のお金の流れを整え、貯まる体質にする。これが基本です。

お金に対して不安を抱きやすい人は、いくら貯金を持っていても不安なのではないでしょうか。足りないことばかりを数えてしまう「心の癖」が原因。

不安を抱えやすい人にぜひおすすめしたいのが、「いいこと日記」。 悪いことは脳にすりこまれやすく、良いことは忘れがちです。ですから、あえて“いいこと”だけを書く。どんな小さなことで構わないと思います。

自分がニコっとできる瞬間。小さな幸せを見過ごさずにとどめる習慣を持つことで、幸せを感じやすい人になれると思います。そうすると、支出に対する満足感も高まるし、必要のない支出の見極めもできてくるでしょう。


教えてくれたのは……

八ツ井慶子さん

埼玉県出身。法政大学経済学部経済学科卒業。2001年4月より、「家計の見直し相談センター」の相談員としてFP活動を始める。13年7月に独立し、「生活マネー相談室」を設立。個人相談を中心に、講演、執筆、取材などの活動を展開。これまで1000世帯を超える相談実績をもつ。

取材・文/西尾英子

(文:あるじゃん 編集部)

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