AWSエレメンタル、OTT配信を効率化するCMAFオンラインセミナーを開催

AWSエレメンタルは、10月11日に「HEVCの移行、フラグメントMP4(fMP4)およびCMAF」と題した、ビデオプロバイダや配信事業者向けのオンラインセミナー(ウェビナー)を実施する。開始時間は13時30分から。本ウェブキャストは、コーデックトレンドの移り変わりとメリットに触れ、そしてfMP4、CMAFの基礎知識、そして業界にやってくるストリーミング形式統一に対応する準備について解説していく。

同社は、技術やOTT市場動向を紹介するウェビナーを定期的に行っており、先月はHEVCの実装と動向に関するウェビナーを実施した。今回のウェビナーで中心となるCMAF(Common Media Application Format/共通メディア応用フォーマット)は、IBCにて出展ブース内で開催したミニセッションで毎回満席となった、業界注目のストリーミング形式である。

昨年のWWDC2016にて、Apple独自とも言えるHTTP Live Streaming(HLS)がセグメントMPEG-4(fMP4)をサポートしていくことが発表されたことは、ビデオストリーミングを簡素化するための重要な一歩となった。

OTT業界はRTMP、MMS、RTPといった独自メディアプロトコルから、ストリーミングを最適化するためにメディアファイルをセグメント化してHTTPで配信を行う形式に変わっていった。特に日本国内は、iOSモバイルユーザー数が全体数の70%近くのシェアと広く普及していることにより、HLSでの配信は必須である。

各ストリーミング形式は、マニフェストファイルとコンテナが存在する。HLSでは、マニフェストファイルにm3u8(プレイリスト)、コンテナにセグメント化されたH.264 MPEG-2 TSを使う。一方、配信需要が増えるMPEG-DASH(Dynamic Streaming over HTTP)では、マニフェストファイル(MPD、ディスクリプター)をXMLで構造化し、コンテナにMP4およびMPEG2-TSを使う。クライアントのニーズおよびエンドの環境に合わせ、HLSやMPEG-DASHそれにMicrosoft Smooth Streamingなどストリーミング形式を揃えるとなると、すべてのマニフェストファイルとコンテナ形式を事前に用意しておかなければならなくなり、制作現場の工数と時間が増大するだけでなく、ストレージ容量の倍増を引き起こす。ここにきてHLSがfMP4に対応できることで、HLS とMPEG-DASHで配信する場合、メディアライブラリをMP4で共有しマニフェストファイルを書き換えるだけでよいため、運用は圧倒的に楽になる。Appleは加えて、既存にあるストリーミング形式を統一する潜在機能を持つCMAFを提唱し、Microsoftと一緒にMPEGに提案をしている。ネーミングどおりの意義が実行されるならば、理想的な現場のフレームワークが築きあげられる。

  本ウェビナーに参加する場合は事前登録が必要。申し込みはAWSエレメンタルの公式ページより。なお、本ウェビナーは英語のみ。

(ザッカメッカ)

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