最高勝率のホークス千賀、野手に感謝「タイトルが手元に急にきた」

ソフトバンクの千賀滉大が、13勝4敗の勝率.765で勝率第1位に輝き、念願のタイトルを獲得した。

ソフトバンク・千賀滉大【写真:藤浦一都】

黒星消滅で最高勝率、「タイトルが手元に急にきた」

 ソフトバンクの千賀滉大が、13勝4敗の勝率.765で勝率第1位に輝き、念願のタイトルを獲得した。

 サファテの最多セーブ、岩嵜翔の最優秀中継ぎ、東浜巨の最多勝利同様、千賀の勝率第1位にも一時は“当確ランプ”が灯っていた。10月6日の本拠地最終戦での登板を回避すればタイトルを手中に収めることができたが、千賀の頭の中に“投げないという選択肢”はなかった。その前の登板で7失点していたこともあり「CSにいい形で入りたい」と、黒星でタイトルを手放すリスクを負って6日の先発を志願した。

 結果は6回3失点。6回を投げたことで規定投球回はクリアしたものの、降板までに味方の援護はなく“負け投手”として9回2死を迎えた。しかし、そこから上林誠知のタイムリーで追いつき、遠いたはずの初タイトルが千賀の手元に戻ってきた。

「自分ではないと思っていたタイトルが手元に急にきたので、うれしいという気持ちはもちろん、何か不思議な感じがした。野手の方に感謝です」

昨年同賞を譲った和田からハッパ、「今年はナオに譲るんか?」

 昨年は同タイトル獲得の資格を得る13勝に1勝及ばず和田毅に譲る形となった。今季の12勝目を挙げた時、千賀は「和田さんから『今年はナオ(東浜)に譲るんか?』と言われているので、しっかりあと1つ勝ちたい」と冗談まじりに語っていたが、その和田は6日の試合で千賀に続く2番手として登板。追加点を許さなかったことで、千賀の奇跡的なタイトル奪取をアシストした形となった。

 千賀は今シーズンを振り返り「侍ジャパンから始まって、シーズンに入ってもいい時と悪い時がはっきりしていた。その中でケガをしながらも規定(投球回)に到達できたことはよかったと思う。ただ、まだまだ課題だらけ。少しでも上のピッチャーになれるように日々努力していきたい」と語る。

 今季の最も印象深い試合には「koboスタの楽天戦で則本さんと投げ合った試合。気持ち的にも内容的にもマッチした試合だった」と10奪三振、8回無失点の好投で優勝に大きく前進した8月19日の一戦を挙げた。

 また、千賀はこの先のポストシーズンを睨み「とても大事な試合が続く。日本一になるために選手一丸となって1試合1試合大事に戦いたい」と気合を入れ直すように語った。(藤浦一都 / Kazuto Fujiura)

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