結婚前に決めたい家計管理の「5つの約束」

結婚が決まるとすぐにでも話し合いたいのが家計管理について。価値観やライフスタイルなどでお金の使い方や貯め方は違います。夫婦のお財布をどのように考えるかを解説します

結婚後のお金の管理はどうする?

結婚を決めると、結婚式や披露宴、新婚旅行に新居探しなど、2人で決めることがたくさんあります。 結婚までの忙しい時期、2人で話し合っておきたいのが結婚後のお財布の管理のこと。適当に……なんて考えていてはダメですよ。お金のことは、最初からきちんとしておきたいもの。

結婚が決まったら、新婚生活までに確認しておきたい5つの約束をご紹介しましょう。

夫婦で話し合っておくことが大切

結婚生活というのは、他人との共同生活の始まり。生活が始まると、生活習慣やライフスタイルの違いで「そんなはずではなかった……」ということが多くあります。

中でも、お金についての考え方は生活に直結し、将来の生活を決める大きなポイントになります。また、住居や子育て、リタイア後の生活とお金は切っても切れない関係です。将来のライフプランを考えることと同時に、お金をどう使うか、貯めるか、運用するか、ということは2人の生活にとってとっても大切なこと。 2人で甘い生活を楽しむ前に、きちんとお金のこと、将来のことを考えましょう。

約束1:結婚直後は唯一の貯め時。目標2割

結婚前後は、結婚式や披露宴、新婚旅行と大きなイベントが続きます。動くお金も高額なもの。この金銭感覚で生活を始めては危険です。

結婚直後は、今後の人生の中で一番の「貯め時」だということを忘れずに。子どもができると出産や育児にお金がかかります。誕生してから大学を卒業するまで、食費や教育費など全てあわせると、最低でも1人あたり3000万円かかるというデータがあります。

子どもがいない夫婦だけの世帯も例外ではありません。生活費は増えることはあっても減ることはあまりありません。親の介護や自分たちの病気で仕事を辞めざるを得ない場合もでてくるでしょう。今は共働きで充分な収入があるとしても、油断は禁物です。

ライフスタイルや収入にもよりますが、最低でも収入の2割は貯蓄することを目指しましょう。社宅などで住居費があまりかからない、共働きなど好条件が揃うのであれば、3~4割は目指したいところです。

約束2:家計費の分担を決める

今が貯め時ということがわかりました。では、具体的にどうすればいいということですが、まずお金の分担ルールを決めましょう。

夫婦共働きの場合は、それぞれの収入からどのように家計をまわしていくかということが重要なポイントになります。家計管理の方法は大きく分けて次の3つ。2人でよく話し合って決めましょう。

2人の収入を完全に合算し、ひとつの財布で管理する

妻が仕事を辞める可能性が高い場合にはおすすめです。妻の収入は最終的になくなるのですから、臨時収入的に考える必要がありますね。できれば、妻の収入分は貯蓄や運用にまわすことを目標にすればいいですね、

お互いの収入は別々に管理し割合に応じて家計分を負担する

2人が経済的に独立したい場合におすすめです。お互い同じようなキャリアと働き方をしている場合、お財布は別に管理しておいたほうが便利ですね。資格チャレンジなどの自己投資なども遠慮なく始められるので、お互いのストレスが少なくなるでしょう。

●費用別に負担を決める

家賃と公共料金は夫、食費や日用品費は妻など、費用別に家計を管理する、同棲生活をしていた夫婦に多いパターン。管理が楽なので、ついこの方式になりがち。家計のことを考えると、上の2つのほうがベターと言えるでしょう。

いずれにしても、2人できちんと話し合って、どの方法にするかを決めることが大切です。なんとなく……で始めると、お互いが不公平感をもつことになりかねませんよ。

まずは、2つのルールを考えました。これだけでもかなりお金について2人で話し合ったはず。でも、これだけではいけません。あと3つ、きちんと決めていきましょう。

約束3:趣味・お小遣いのルールはきちんと

夫婦の家計管理について、ついつい忘れがちなのが趣味やお小遣いのルール。特に趣味にかけるお金は価値観が大きく影響します。お互いに共通の趣味であれば、お互いの理解も得られやすいものです。

しかし、どちらかだけの趣味であれば要注意です。結婚前に、この趣味は続けたい、そしてどれだけの費用が発生するか、いつまでするのかなどをきちんと話し合いましょう。

費用面で問題が出るのであれば頻度を下げるなどして、お互いの趣味をできるだけ続けられるように、歩み寄ることが大切です。

約束4:目的別に貯蓄を

また、やみくもに貯蓄をするのではなく、目的別に貯めていくことも大切です。 それぞれの貯蓄ごとに通帳をわけて管理するといいでしょう。

将来の子どものためのお金やマイホームのためのお金など、10年後や20年後の自分達を想像しながら考えましょう。結婚10周年で記念の海外旅行というのもいいですね。車のための費用も別で貯めましょう。漠然と貯めるより、モチベーションが上がりますよね。

また、病気やリストラなどのためのお金も忘れずに。できれば、半年程度生活できるお金があると安心です。

約束5:老後に向けた資産運用を計画

最後に、将来のための運用も視野にいれておきましょう。老後のことなんてまだまだ先……なんて思っていてはいけませんよ。必ず訪れるものですから、何らかの対策が必要です。

お金を貯めて運用させるには、長い期間と高い利率が有利になります。利率については個人の努力では限界がありますが、期間については頑張れますよね。ぜひ長期間であることを味方につけて、少しずつでもいいので運用を始めましょう。

運用先は、2人で勉強をして決めるのが大切です。低コストで利用できる投資信託などを慎重に選んで運用してみてはいかがでしょうか? 投資信託は元本保証ではなくリスクもありますが、預貯金よりも高い利回りを期待できます。少額でもいいので一定額を毎月積み立てるようにしましょう。毎月コツコツ積み立てるのが王道ですよ。

いかがでしたか? 結婚後の家計管理について、決めておきたい5つのポイントをまとめました。結婚をする前にお金のことをじっくり考えておくことが、末永く豊かな生活を保障してくれること間違いなしです。

(文:福一 由紀)

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