震災6年7カ月、現状知って 衆院選で被災地有権者

 東日本大震災から11日で6年7カ月。10日は衆院選公示を受け、沿岸被災地でも各候補が支持を訴えた。遺族の犠牲者への思いは今も絶えず、再建を夢見ていまだに仮設住宅で暮らす被災者もいる。だが、各党の公約に占める復興政策の割合はずいぶん小さくなった。「生活再建はこれから」「被災者の声に耳を傾けて」。被災地の有権者は、震災の風化を感じさせる政治に疑問を抱きつつ、古里の復興を託す1票を慎重に考えている。

   陸前高田市竹駒町の仮設住宅で暮らす自動車販売店経営吉田達雄さん(52)は、11月にようやく同市気仙町の高台の宅地が引き渡される。だが、建築費高騰で自宅の再建計画は進まず、店の売り上げも経済の冷え込みなどで大きく落ちた。

 金銭面の不安は募るばかりで、震災で亡くした父に「もっと相談したかった」と悔やむ。「どの政党になっても生活は変わらないと思うが、せめて貧富の差を解消する経済策を考えてほしい」と注文する。

 大槌町小鎚で子育て世代や若者を支援している一般社団法人代表理事大久保彩乃さん(27)は、震災で祖父が犠牲になった。「このタイミングで解散総選挙に踏み切る意図が分からない」と困惑しつつ、「大槌など過疎地域は保育環境が不十分だ。地方の声を国の政策に反映させる選挙戦にしてほしい」と訴える。

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