19歳で投票率ガクン…なぜ? 学生に聴いた投票事情

大学生が制作した投票を呼び掛けるポスター。市営地下鉄のホームに掲示されている=神戸市中央区北長狭通1、市営地下鉄三宮駅(撮影・篠原拓真)

 昨年6月施行の改正公選法で導入された「18歳選挙権」。衆院選では22日投開票の今回が初めてとなるが、これまでの国政選挙や地方選挙をみると、19歳の投票率は18歳を下回る傾向にある。後輩有権者を越えられない“壁”の原因は、どこにあるのだろうか。神戸・阪神間の大学などで、19歳の投票事情を聴いてみた。(竜門和諒、赤松沙和、大橋凜太郎、門田晋一、小森有喜)

 18歳選挙権の導入後、初の国政選挙となった昨年7月の参院選。18歳の投票率は全国集計で51・28%を記録したが、19歳は約9ポイント低い42・30%。兵庫県内では18歳=49・32%、19歳=40・13%だった。身近な首長選でも同様で、今年4月にあった宝塚、淡路、宍粟市長選では19歳の投票率が18歳を10ポイント前後下回った。

 神戸学院大1年で徳島県出身の男子学生は、18歳当時の参院選で1票を投じた。高校時代は各候補者の公約をまとめた資料が授業で配られ、「選挙に行くのが当たり前という雰囲気があった」と振り返る。

 しかし、大学で友人と政治について語ることはほとんどない。住民票も地元に残したままで、神戸での投票権もない。不在者投票を使えば徳島の候補を選ぶこともできるが、「手間がかかる」ため、活用するつもりはないという。

 政治の「遠さ」を理由に挙げる声も多い。スキャンダルや「政治とカネ」に絡む疑惑が相次ぎ、不信感も募るからなおさらだ。

 「(前回参院選は)投票権を手にして初の選挙だったので関心もあり、投票した」という関西大2年の女子学生も、今は興味が湧かない。「市民に寄り添ってくれそうな候補者がいない。投票してもしなくても同じかな」

 神戸市立工業高等専門学校5年の女子学生は「将来が決まる選挙だと言われても、公約がどこまで実践されたか分からない。善しあしが判断できなければ投票もできない」とし、各党、候補者に一層の情報発信を求める。

 学生向けに、大学への期日前投票所設置やスマートフォンでの投票実現を訴える意見も。神戸市外国語大1年の女子学生は授業と運動部のマネジャーを両立させ、休日は7~8時間のアルバイト。今年7月の県知事選は「時間があれば投票したかったけど、大学のテスト勉強で余裕がなかった」という。

 一方、投票に積極的な学生は「保護者の影響」を指摘する。投票を欠かさない親の姿を幼い頃から見てきた神戸高専4年の男子学生は「投票しても何も変わらないかもしれないが、投票せずに変わらないよりはずっといい」と話した。

■啓発、環境整備を/甲南大学法学部の平野淳一准教授(地方政治論)の話

 高校で主権者教育を受ける18歳に対し、大学に進学した19歳の場合、学生と先生に距離があり、アプローチしにくい状況がある。大学として主権者教育を取り入れるのも一つの手ではないか。また、過去には大学内に投票所を設置して若者の投票率が上がった例もある。啓発と投票環境の整備が大切だ。

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