新燃岳6年ぶり噴火 噴煙700メートル、降灰4市町

約6年ぶりに噴火し噴煙を上げる本県と鹿児島県境の霧島連山・新燃岳。右奥は高千穂峰=11日午後3時11分(共同通信社ヘリから)

 11日午前5時34分ごろ、霧島連山・新燃岳(しんもえだけ)(1421メートル)が2011年9月7日以来、約6年ぶりに噴火した。気象庁によると、噴火は午後9時現在も続き、周辺4市町では降灰を確認。今後さらに活発になる恐れがあるとして、噴火警戒レベル==を「2」(火口周辺規制)から「3」(入山規制)に引き上げた。レベル「3」は2013年10月22日以来、約4年ぶり。

 宮崎地方気象台などによると、噴火は火口東側で発生。噴煙は火口から700メートルまで上がるなどし、次第に量も増加した。地下のマグマや熱水の移動などを示す火山性微動は続き、振幅も時々大きくなっており、山が隆起する傾斜変動も観測された。

 同気象台などの調査で、降灰は高原町と小林、都城、宮崎市で確認された。同町中心部では車が通るたびに火山灰が巻き上がるなどし、住民生活に影響も。小林市はレベル「3」引き上げに伴い、新たに夷守岳登山口から大幡山への登山道などの立ち入りを規制。視界不良などのため、宮崎自動車道小林-都城では一時、50キロの速度規制が行われた。県によると、午後6時時点で人的被害は確認されていない。

  同気象台は「空振を伴った爆発的噴火の可能性もある」として、火口から約2キロの範囲では噴火に伴う大きな噴石や火砕流に警戒を呼び掛けている。風下側では火山灰や小さな噴石などにも注意を促している。

 新燃岳は2011年1月26日に約300年ぶりの本格的なマグマ噴火を開始し、県内で初めてレベルが「3」となった。レベルは13年10月22日から「2」に引き下げられ、今年5月26日に約7年ぶりに「1」(活火山であることに留意)となった。以降は、火山活動が落ち着いていたものの、9月23日ごろから火山性地震が増加。5日にレベル「2」に引き上げられ、9日からは火山性微動も発生し、傾斜変動も同時に観測されるなどしていた。

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