リオ・ティントのソールズベリー鉄鉱石部門CEO、鉄道輸送「18年末までに完全無人化」

 英豪系資源大手リオ・ティントの鉄鉱石部門CEO(最高経営責任者)のクリス・ソールズベリー氏は11日、同社が今月、西オーストラリア州で鉄鉱石輸送用鉄道の無人運行システムの試験運用を開始したことについて、「2018年末までに完全自動運行を実現し、鉄鉱石輸送の効率化につなげたい」と語り、鉄道輸送の効率化によって生産性向上とコスト競争力を高めていく考えを示した。

 鉄鋼新聞などのインタビューに答えた。リオ・ティントは現在、鉄鉱石の出荷(輸出)能力を年間3億6千万トン(現行は約3億3千万トン)に引き上げるため、鉄鉱山、鉄道、港湾で生産・輸送・出荷能力の増強を図っている。鉄道輸送の自動化はその柱の一つで、今月初め、西豪州の鉄鉱石輸送用鉄道で自動運行システムの運行に成功した。

 商業利用している鉄道路線での自動運行は世界初。この試験運行では、運転士が乗車した上で、約100キロメートル区間で自動運転システムを稼働させた。

 ソールズベリー氏は「すでに約5割の列車が自動運行システムを活用している。(運転士が乗車しない)完全自動運行を18年末までに実現したい」と述べた。

 同氏によると、自動運転システムの導入によって、運搬用貨車などを増やさずに輸送能力を高めることが可能となる。

 3億6千万トンへの能力引き上げでは、鉄道のほかに、鉱山で鉄鉱石を運搬する大型トラックの自動運転化も推進中で、西豪州の鉄鉱山ではすでに、全運行トラックの20%が無人運転に移行済み。ソールズベリー氏は「生産から出荷までの各工程の自動化によって生産性が一段と高まる」と強調した。

 ソールズベリー氏はまた、次期開発予定鉱区のクーダリダリ鉱区について、投資金額は22億ドル(約2500億円)、鉄鉱石の年産規模は4500万トンになるとの見通しを示した上で、「新しい技術をすべてつぎ込み、自動オペレーションを前提に開発していきたい」と述べた。

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