【新社長】〈戸松冶金・戸松利徳氏〉在庫問屋の立場貫く

事業継続へ人材教育を強化

©株式会社鉄鋼新聞社

 10月1日付けで中部地区大手非鉄流通、戸松冶金(本社・名古屋市瑞穂区)の社長に就任した。8月から81期がスタートし「幅広い事業領域を武器に乗り切った面もあるが、関係先の皆様があってこその80年。深く感謝申し上げたい」としながら「今後100年以上社業を続けるため、さまざまな策を講じて事業継続力を高めたい」と前を向く。

戸松冶金・戸松社長

 同社は非鉄製品、原料を取り扱うほか、アルミ母合金や鉛地金の生産も手掛ける。このうち製品、原料部門は「豊富な在庫を持って即時即納を徹底、需要家のニーズに対応し続けたからこそ現在の姿がある。今後も『欲しいものは戸松にあり』と頼られるよう、在庫問屋のポジションを貫く」考えだ。

 一方「従来以上に収益性を高めることが喫緊の課題だ」と指摘するのが母合金、地金の生産部門。

 「人材難の加速が予想される中、省力化や機械化を一段と進める必要がある。生産効率化、コストダウンにつながる投資は前向きに検討したい」と強調する。

 具体的には、故銅部が入る刈谷工場でヤード新設をはじめとするレイアウト変更を計画。業務環境の改善とともに、従業員のモチベーション向上にもつなげたいという。

 非鉄製品の国内市場が縮小傾向をたどることに加え、車体の構造変化に伴う原単位減少を見据えて事業継続に向けた新規商材の取り扱いも視野に入れる。「営業ノウハウを持つ人材を招き、将来的に東京支店で工業系薬品、レアメタルの販売にも参入したい」。

 今後の施策を思い描く一方、「成長をけん引する原動力は人材」と言い切る。近く定年退職を迎える取締役もいることから、若手の採用を積極化して向こう10年間人材教育を強化する。「各部署をローテーションして広い知識の習得を促し、要職に投入できるような能力ある人材を育てたい」意向だ。

 趣味は奥さんとプレーする機会も多いゴルフ。好きな言葉は「経験は知識に勝る」。(佐野 雄紀)

略歴

 戸松 利徳氏(とまつ・としのり)1988年(昭63)愛知学院大学商学部商学科卒業、戸松冶金入社。2004年金属事業部長、08年取締役金属事業部長、10年常務、15年副社長。1964年8月23日生まれ、愛知県出身。