業者不足、区画整理…自宅再建遅れ 仮設入居延長例を県公表

 熊本県は12日、熊本地震の被災者が暮らす建設型仮設住宅や借り上げ型のみなし仮設住宅について、入居期間の1年延長を認める「やむを得ない事情」の具体例を公表した。災害救助法に基づく内閣府との協議を踏まえ、主に建設業者不足や土地区画整理事業といった理由で自宅再建が遅れるケースを想定した。

 県は今月末から11月初旬にかけて市町村を通じて仮設入居者に延長の意向を聞く。その上で、入居者の期限に合わせて順次、認めるかどうかを個別に判断する。熊本市分は同市が判断する。

 県が示した事例は、(1)建設業者が足りず、自宅や宅地擁壁の工事が遅れる(2)区画整理や地盤改良など公共事業日程の都合で自宅再建に取りかかれない(3)入居を予定している災害公営住宅の建設が間に合わない-など。

 このほか、民間の賃貸住宅への転居を希望する高齢者や障害者、ひとり親世帯などは家賃や低層階といった適切な空き物件が見つからない場合、延長を認める。いずれもやむを得ない事情を示す書類の提示を求める。

 仮設の設置期間を1年延長できる改正政令は同日施行され、個別の事情に応じて入居期間(原則2年)の1年延長が可能になった。

 県によると9月末現在、建設型に3976世帯、借り上げ型(みなし仮設)に1万4226世帯が入居する。借り上げ型は来年4月から、建設型は同6月から順次、入居2年の期限を迎える。

 県は、復興基金を活用し、住宅ローンの利子や、1世帯当たり10万円の転居費用を補助する制度を創設した。県健康福祉政策課は「仮設の入居延長を認めつつ、並行して被災者が早期に住まいを再建、確保できるよう後押ししたい」としている。(太路秀紀)

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