丹羽鐵、グループ力強化し事業拡大 子会社に新設備加工・扱い品種拡充

 中部地区で丸一鋼管製品を主力に加工・販売する丹羽鐵(本社・名古屋市、社長・森俊彦氏)は、グループ戦略強化と事業領域の拡大を進める。子会社の大和産業(本社・豊田市、社長・稲本一夫氏)に新型加工機を導入・稼働したほか、提携先の3Dレーザ加工機を活用した新たな加工品の受注・納入実績が増え始めた。「精密切断・金属加工(プライムカット・メタルワーク)」をキャッチフレーズに、鋼管異形切りやステンレス鋼種など新たな扱い品種を増やす。

 同社は自動車、鋼製家具向けを中心に丸・角パイプなどの加工・販売を手掛ける。本社に隣接する物流加工センターでは自動化を進めた切断、穴あけ加工機などを持ち、品質管理、加工精度(切りっぱなしで寸法精度±0・1ミリ以下など)、納期対応力に優れる。

 足元の事業環境は、加工・販売の両分野で競争が激化。ユーザーの事業環境も変化しているため、新たな事業戦略を打ち出した。

 まず、グループ会社と一体になった加工の付加価値拡大を追求するため、大和産業に新型の切断加工機を新設・稼働。これで同社の加工機は15台体制になった。

 ステンレス鋼管など従来の丸パイプ主体の加工に加え、角形鋼管やハイテン鋼管の加工も高精度で手掛けることができる。

 大和産業ではこのほか、社員の福利厚生などを図って事務所改装を実施した。

 また、3次元のレーザ加工(ファイバーレーザ)ができる名古屋市内の加工業者と業務提携し、鋼管のより複雑な形状の異形切り、鋼管以外(ステンレスや形鋼)の切断加工など、これまであまり行っていなかった分野の営業活動を開始。すでに、異形切りなどの受注実績が着実に増えている。

 森社長は「良い品質とサービスを提供し、常に挑戦し、感謝の気持ちを大切にすることをテーマに、生産性向上と現場での多能工化などを進めたい」と話している。

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