【神戸製鋼の品質データ改ざん問題】〈川崎社長の会見要旨〉納期・コスト「現場のプレッシャー検証」

 神戸製鋼所の川崎博也会長兼社長は13日、品質データの改ざん問題で記者会見した。会見での主な質疑は次の通り。

――8日の会見では製品の4%程度が対象としていたが、今回はどれぐらいの割合になるのか。

 「今回の案件を含めてもあまり数字は変わらないと思う」

――12日には現時点で鉄鋼ではないと言ったが、今回、鉄鋼で公表したのは。

 「一連の調査の連続性の中で鉄鋼では鉄粉以外はなかった。ただ、原因分析をする上では過去案件にさかのぼって公表すべきと考えた」

――出荷先の中には海外の自動車メーカーは含まれるのか。

 「具体的な向け先の公表は控えたい。ユーザーとは連絡をとっている」

――納期やコストの面で現場にプレッシャーがあったのではないか。

 「ないとは言えない。上からのそういった指示はしていないが、事業部ではどうだったのかなどを原因追求の中で検証していきたい」

――データを改ざんしたのは工場のスタッフか、品質保証部のスタッフか。

 「現在関係者にヒアリングしているところ。関わったのは数十人と8日に説明したが、これには品質保証部の人間のほか、製造室の人間も含まれている。現在、それ以外の担当分野が関わっていないかどうか徹底的な分析をしている」

――現在調査中だが今後の不正案件は増えるという認識でいいか。調査はどれくらい終わっている?

 「いま全事業で調査中だが、アルミ・銅についてはおおむね現物のデータとミルシートの照合を終えている。その中で発覚したのが本日の追加案件。鉄鋼、機械、電力事業については実施しているところだ」

――今後神戸製鋼所は存続できるかどうかについて認識は。

 「今後ユーザーからどういうご指摘があるかはわからないが、現状の認識では売上額で不適切案件は4%。残りの96%がどうなっているかだ。これらは品質の生データとミルシートの整合確認を終えている。実際に供給が足元止まっているのはアルミ・銅に限られる。ただ今後ユーザーからどういう声がかかってくるかは今の時点ではわからない」

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