大票田の神奈川に「大物」続々 雨中のラストサンデー

 22日投開票の衆院選は中盤戦に入り、ラストサンデーとなった15日、閣僚や各党幹部らが続々と県内入りし、重点区や激戦区を中心に応援演説を行った。■政権与党の責任訴える 麻生副総理 麻生太郎副総理兼財務相は15日、JR橋本駅北口で街頭演説し=写真、野党が政権選択の選挙と主張していることに言及し、「事新しく言っているが、総選挙はいつでも政権選択の選挙だ」と批判した。

 新党の希望の党については「(選挙後の)首相指名で誰を指名するのかいろいろ尋ねるのだが、誰も答えない。聞いても『そのうち考えます』みたいなことを言うから、『無責任だろう、それは』と申し上げたい」と強調。

 さらに、「選挙というのは単なる手段。政権を取って何をするかが一番肝心。われわれは公約通り一つ一つ、やるべきことをやっている。政権与党(の責任)というのはそういうものだ」と訴えた。■外交や安保現実主義に 希望・細野氏 希望の党の細野豪志元環境相は15日、川崎市麻生区の小田急線新百合ケ丘駅南口などで街頭演説し、改革保守を掲げる党のスタンスについて「朝鮮半島問題への対応をはじめ外交や安全保障では現実主義に立つが、内政では共生や多様性を大切にする政党だ」と強調した。

 細野氏は、共生社会に向け「どんな家庭に生まれようが、同じように大学や専門学校に行けるように制度を変える。社会に本当に必要なものは何か、それが分かり変えられる政治家、政党が必要だ」と述べた。

 また「大企業の400兆円の内部留保は不必要にため込んだもの。税金をかければ勤め人の給料や設備投資に回り経済が動く」と訴えた。■野党共闘し現政権倒す 共産・小池書記局長 共産党の小池晃書記局長は15日、藤沢駅南口で街頭演説し、「市民と野党の共闘ができれば必ず安倍政権を倒せる。今こそ力を合わせよう」と支持を呼び掛けた。

 小池氏は、森友・加計学園問題を隠すための解散で国民は納得できないと指摘した上で「これ以上、国民の声に耳を傾けない政治を許すことはできない」と強調。希望の党についても「党首は自民党政治のど真ん中にいた人。安保法制と憲法改正を認めなければ排除するという。自民と全く変わらない」と批判した。

 さらに「自民、公明、希望、維新」と「市民と野党による共闘」との2極が戦う構図とし「市民と野党の共闘が勝つことが、安倍政権を追い込む」と訴えた。■「9条改正」言わせない 社民・福島副党首 社民党の福島瑞穂副党首は15日、JR茅ケ崎駅北口で演説し、「戦後、自衛隊は世界で戦争をしなかった。その歴史を百八十度変えようとする安倍内閣に退陣を」と述べ、市民と野党の共闘による勝利を呼び掛けた。

 福島氏は、自民党が憲法改正を公約に掲げたことを「万が一、安倍内閣が選挙で勝ったら『憲法9条改正に国民の信任を得た』と言うだろう。こんなこと、絶対に言わせてはいけない」と指摘。「今回の選挙を、9条をもって行う最後の選挙にしてはならない」と語気を強めた。

 希望の党についても触れ、「憲法改正、安保法制に賛成の踏み絵を踏ませ、転向させた。そういう政治に未来はない」と断じた。

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