京急・品川駅に多言語対応の案内装置 京三製作所

 鉄道信号システムを手掛ける京三製作所(横浜市鶴見区)は16日までに、音声アナウンスを多言語の文章に翻訳・表記できる旅客案内装置を、京浜急行電鉄・品川駅に納入した。同装置はヤマハ(浜松市)が開発した音響通信による翻訳システム「おもてなしガイド」を搭載。混雑でアナウンスが聞き取りづらい場合や、訪日外国人、聴覚障害者らの利便性向上が期待される。

 「おもてなしガイド」はスマートフォンの無料アプリケーションで、音声アナウンスが流れている際にアプリを操作すれば、翻訳して文章で表示する。案内装置からスマートフォンに信号を送信し、ガイド機能を利用できるようにする。京三製作所が品川駅に納入したシステムは日本、中国、韓国、タイ、フランス、英語に対応する。

 京急電鉄は来年3月まで、品川のほか横須賀中央、羽田空港国際線ターミナルの3駅と車両1編成でガイドを活用した実証実験を実施中。「3駅は訪日外国人や米軍関係者らの利用が多く、混雑が激しい場合でも有効に機能するかを検証し、今後の運用に生かしたい」としている。

 京三製作所は「引き続き、人に優しいシステムの開発・納入を通じて社会インフラの利便性向上に努める」とし、今後は駅だけでなく公共施設や空港などにも販路を広げたい考えだ。

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