三菱マテリアルなど、藻類由来の高機能バイオプラスチック開発に着手

©株式会社鉄鋼新聞社

 三菱マテリアルは16日、筑波大学発ベンチャー企業の藻バイオテクノロジーズおよび日本電気と共同で「セメント製造工程で発生する高濃度CO2の特定藻類への効率的な固定化技術」および「培養した藻類から高機能なバイオプラスチック素材を製造する実用化技術」の開発に着手すると発表した。

 セメント製造工程から回収したCO2ガスを利用して特定藻類を培養し、高強度・高耐熱の高機能バイオプラスチック素材の製造に活用する。2021年度内を目標に同素材の実用化を目指す。

 同社は、セメントプロセスから高濃度かつ低有害成分のCO2を回収する技術開発を担う。また、実排ガスを用いた藻類培養条件の最適化をラボ試験で行った後、培養槽を用いた実証試験を同社と筑波大学が共同で行う。

 CO2発生源と藻類培養プロセスを連携させて高機能バイオプラスチック素材製造の一環プロセスを構築できれば、石油合成系プラスチック素材の代替品として利用が可能となり、大量のCO2削減を実現できる。高機能バイオプラスチック素材の製造工程ではセメント製造時の低温排熱を有効活用するとともに、製造時に発生する残渣も同工程の熱エネルギーとして利用する。

 同事業は、筑波大学を代表事業者として環境省に採択された「CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業」の一環として行う。

 排ガス・排水を使った藻類の培養と有機有用成分の効率的な回収に関する技術開発で成果をあげてきた筑波大学と藻バイオテクノロジーズ、熱エネルギー代替廃棄物の利用やシミュレーション技術を駆使した運転最適化でCO2削減に取り組む三菱マテリアル、植物資源を利用した高機能バイオプラスチックの開発と電子機器などの耐久製品への利用を進める日本電気が連携で行う。

 藻類は、機能性に優れるバイオプラスチック用素材の主要成分として有効な長鎖脂肪酸や多糖類を高効率に生産する能力に優れるほか、水中で生育するため、セメント製造や火力発電所などから排出される高濃度CO2を水中で注入すれば効率的にCO2を固定化できる特徴がある。