CS苦手なホークス、勝利の鍵握るのは内川、川崎、和田、五十嵐らベテラン勢?

パ・リーグのCSファーストステージを勝ち抜いたのは、3位の楽天だった。16日の第3戦は、主軸のウィーラーが活躍し、救援投手の奮闘もあって、楽天が勢いのある勝ち方をした。18日からのファイナルステージはソフトバンクとの対戦になる。

ソフトバンク・和田毅【写真:藤浦一都】

過去プレーオフで24勝27敗のホークス

 パ・リーグのCSファーストステージを勝ち抜いたのは、3位の楽天だった。16日の第3戦は、主軸のウィーラーが活躍し、救援投手の奮闘もあって、楽天が勢いのある勝ち方をした。18日からのファイナルステージはソフトバンクとの対戦になる。

 2004年のプレーオフ時代から通算で、ソフトバンクはCSを51試合戦っている。これは43試合の日本ハムを抑えて1位。しかしながら勝敗は24勝27敗と負け越している。CSではソフトバンクは無敵とは言えないのだ。

 CSの勝敗の内訳を見てみよう。

ファーストステージ 7勝6敗
ファイナルステージ 17勝21敗

 ファイナルステージで負け越しているのだ。このうち、勝率1位でファーストステージの勝利者と対戦する「待ち受け」パターンは、15勝13敗だ。

2004年2勝3敗 西武に敗退(ダイエー時代)
2005年2勝3敗 ロッテに敗退
2010年2勝4敗 ロッテに敗退(アドバンテージ1勝)
2011年3勝0敗 西武に勝利(アドバンテージ1勝)
2014年3勝3敗 日本ハムに勝利(アドバンテージ1勝)
2015年3勝0敗 ロッテに勝利(アドバンテージ1勝)

 CSの前身であるプレーオフができてから2年、ソフトバンク(2004年はダイエー)は、2年連続で勝率1位になりながら、日本シリーズに進出できなかった。

これまでの打者の成績は…

 2006年から勝率1位チームにはアドバンテージが1勝つくようになったが、2010年のソフトバンクはそれでもロッテに敗退した。2位以下のチームに4勝されて敗退したのは両リーグでも、2010年のソフトバンクと2014年の巨人だけだ。これでソフトバンクはCSに弱いというイメージが定着した。以後は9勝3敗と挽回したが、まだ「待ち受け」に弱い印象は残っている。

 詳細に投打の成績を見ていくと、不安材料も多い。現役の打者ではCSで活躍した選手が少ないのが気がかりだ。

松田宣浩 34試合 118打数 24安打 3本6点 打率.203
本多雄一 34試合 107打数 24安打 0本3点 打率.224
長谷川勇也 27試合 74打数 17安打 1本4点 打率.23
今宮健太 22試合 69打数 15安打 1本9点 打率.217
柳田悠岐 17試合 63打数 12安打 2本6点 打率.190
明石健志 24試合 57打数 13安打 0本1点 打率.228
吉村裕基 12試合 31打数 7安打 0本7点 打率.226
中村晃 16試合 51打数 11安打 1本1点 打率.216
デスパイネ8試合 24打数 4安打 3本3点 打率.167
(※デスパイネはロッテ時代)

 打率.250を打った選手がいない。主砲の柳田の出場が微妙だが、それ以外の顔ぶれも、CSが得意とは言えない。そんな中でよく働いているのが2人のベテランだ。

内川聖一 24試合 91打数 33安打 2本16点 打率.363
川崎宗則 29試合 113打数 32安打 2本6点 打率.283

 内川は故障からようやく復帰したところ。川崎はシーズン中に復帰し、終盤は2軍落ちしていたが、ともに短期決戦には強い。この2人の起用がカギになるだろう。

これまでの投手陣の成績は…

 投手陣はどうか?

和田毅 6試合2勝1敗 防御率3.86
バンデンハーク 3試合3勝0敗 防御率2.00
武田翔太 4試合0勝3敗 防御率5.82
千賀滉大 4試合0勝1敗2H 防御率1.13
中田賢一 2試合1勝0敗 防御率3.86
東浜巨 5試合0勝1敗0S0H 防御率7.45

サファテ 9試合0勝1敗5S1H 防御率3.72
岩嵜翔 9試合1勝0敗0S3H 防御率1.99
森唯斗 5試合0勝0敗0S0H 防御率9.00
五十嵐亮太 5試合2勝0敗0S0H 防御率1.69

 先発投手陣ではバンデンハークが3試合で3勝しているが、今年の先発の柱だった東浜はCSでは0勝、千賀はCSでは救援登板が中心だった。武田翔太は3敗。先発2番手、3番手が心許ない。経験十分のベテラン、和田毅が頼りになるのではないか。

 救援陣は、シーズン中無敵だったサファテが意外に打ち込まれている。岩嵜はCSでは好投しているが、森も打たれていて、枚数がやや足りない感がある。シーズン最終盤になって1軍に上がってきた五十嵐亮太がCSでは好投している。この投手の投入がポイントになってくるかもしれない。

 CSでは苦戦しているだけに、ソフトバンクの主力人のCSでの実績はあまりよくない。こういう状況では経験豊かなベテランの起用がカギになってくるのではないか。(広尾晃 / Koh Hiroo)

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