夫から「おばさん化したな」と言われないためには?

おばさんって思われたくない! イライラもしたくない、不安感にも襲われたくない……そんな更年期が心配な方に向けてお話しします。

「更年期」と言う言葉が気になるようになったら……

結婚して何年経ちましたか? 5年、10年、20年。妻の歴史も折り返し期、結婚生活も熟してきた、夫とそろそろ馴れ合いになってきたと思える頃、私たち女性はプレ更年期&更年期真っ盛り。更年期は閉経前後10年の「時期」を指すので、何もしなくても年を重ねれば誰もが迎えるもの。

イライラしていたり、怒りっぽくなったり、逆にズーンと落ち込んだり、急に老後が不安になったり。夫に「更年期じゃないの」、子供に「なんか最近おばさんくさいー」と言われる方もいるでしょう。

過去に、木の実ナナさんや森昌子さん、高畑淳子さんらベテラン女優や歌手の方が更年期障害で悩んでいるとニュースで見ました。マドンナやシェリル・ラッド、スーザン・サランドンなど海外の著名人も更年期について語っています。

40歳を過ぎた頃から「いつ更年期障害の症状が出てくるかしら」と意識する女性も多いかと思います。そこで、どんな症状が出るのか調べてみました。

更年期の具体的な症状とは?

更年期には、卵巣機能の低下による女性ホルモン「エストロゲン」の減少で、エストロゲン不足の影響と自律神経失調症状が出やすくなると医学的には言われています。大量の汗、のぼせ、顔のほてり、動悸などわかりやすい症状のほか、不安、うつっぽくなる、イライラするといった精神的な症状が出て来る人もいます。

そして抜け毛、白髪、肌のかさつきは単なる老化であって、避けては通れないものだと思いましたが、たしかにホルモン不足によっても現れる悩みです。そのうえ、夫や子供に毎日チクチク小言を言ってしまったりすると、「おばさんになったな……」と思われても仕方ありません。

「おばさんって見られるのはイヤ!」な方々、プレ更年期世代、更年期まっさかり世代な方々、更年期障害の予防策&改善策を学習しましょう。減少している女性ホルモンを意識して、休む時は思いっきり休むことが大切です。

更年期障害に悩む人、悩まない人、その違いは何?

持って生まれた体質の差は仕方ありません。更年期を乗り越える、あるいは予防する肝は「寛容さ」と「生活習慣」です。

神経質で完璧主義を目指すタイプは、イライラがつのります。以前のように家事や仕事がはかどらないことで周囲の人にグチを言ったり、怒りをあらわにするようになったら要注意。

「あとでやってもいいじゃない」

「失敗してもリカバリーしよう」

くらいの「ま、いっか!」という気持ちに切り替えると楽になります。

夕食のメニューが1品減っても、部屋の隅にほこりがあっても「今日はだるいから、ま、いっか。元気なときにやろう」です。家事がてきぱきこなせなくても家族も自分も死にません。できることをゆっくりやるスピリッツを家族に宣言してみてください。「更年期障害の症状で辛いから、のんびりするからね」と。

注意すべき症状と自分でできそうな食生活改善

のぼせ、冷え、動悸のほかに更年期の注意すべき症状は下記です。

・コレステロール増加による動脈硬化など

・骨がもろくなる骨粗鬆症など

・記憶力低下、物忘れ

・基礎代謝低下

健康本やネット情報で更年期障害の改善にいい食べ物は、皆さんご存知かと思いますが、「鉄板」なのは大豆です。大豆イソフラボンはあまりに有名です。私は大豆粉を多量に買い、料理時に使っています。油揚げや厚揚げのような大豆食品は、カルシウム摂取と、大豆イソフラボンの両方を効率よく摂取できます。イソフラボンの成分が入ったサプリメントもあります。

また、オメガ3系脂肪酸という言葉もちらほら聞こえるようになりました。青魚摂取は必須です。さらにアマニ油、シソ油、えごま油など今まで使わなかったような油にも目を向けましょう。脳の活性化に関与する魚はEPAやDHAを含むので高血圧や動脈硬化が気になる人にお勧めです。

そして新陳代謝が鈍り、運動の絶対量が減るのが更年期。スポーツジムやジョギングに励む女性の方も多いのですが過度な運動はかえって逆効果。1回30分以上・週3回以上を目安に継続可能な運動を取り入れるのがベター。「疲れたらやめておく」くらいを心がけましょう。

私もかつてエアロビクスのし過ぎで膝を痛めました。運動をする時はストレッチとクールダウンを忘れずに。腹筋を朝晩50回とか決めても長続きしません。料理をする時も電車で立っている時も、常にお腹を引き上げて美しい姿勢を保つ方が体幹は鍛えられます。

深く関わっています。

女性ホルモン減少はしょうがない事実

さて、女性の一生には思春期にしろ、月経にしろ、妊娠出産にしろ、更年期にしろ、「女性ホルモン」が深く関わっています。女性ホルモンが年々減っていることを意識しながら、毎日の生活パターンや食事改善、運動、スキンシップ、セックスを心がけることが、きれいに年を重ねるポイントなわけです。

ちなみに私の主治医、関口由紀先生にお話をうかがいますと、

「まったく更年期の症状が出ない女性もいます。あなたは、そのタイプです」

と笑われてしまいました。いえ、私もシミシワなどは30代の頃から悩まされています。ただ、うつやイライラといったメンタルが落ち込む事はたしかに少ないです。落ちても早々に上がれます。その秘訣は、完璧を目指さずゆるく生きることです。だって若くないのですから。頑張りすぎるとドッと疲れてイライラします。

そして、毎日の生活に息抜きタイムをふんだんに散りばめる事。この息抜きが何かわからないという方もたまにいます。手芸でも、お散歩でも、ぼーっとするでも、歌を歌うでも、犬と遊ぶでも、スタバで読書でもなんでもいいのです。雑多な事を考えず、頭も心も喜んでいることが息抜き。息抜きタイムは若い頃の3倍は取りましょう。

私が好んでしているアクションがもうひとつあります。家族や親しい友達と抱き合ったり、手をつなぐこと。そうです、人との触れ合いを心だけでなくスキンシップにも重きを置くようしています。

誰しもに訪れる更年期を恐れるなかれ。最近落ち込んでいるかも、夫の一言に切れやすいなあと感じたら女性ホルモンが減っているんだからと意識して、ゆるい生き方にシフトチェンジしてみてください。頑張りすぎないで! そして男性の方には「おばさんになったな」の台詞は一生禁句とお伝えしておきます。

(文:三松 真由美)

© 株式会社オールアバウト