【印JSW・ジンダル社長と単独会見】JFEが技術供与の電磁鋼板フル生産、新ライン検討 冷延・めっき、半年内にフル稼働へ

 【ブリュッセル発=一柳朋紀】JFEスチールが15%出資するインドのJSWスチールは、JFEから技術供与を受けた無方向性電磁鋼板(NO)ライン、冷延ミル、CGLの稼働率が上昇している。ブリュッセル市内のホテルで鉄鋼新聞と単独会見したサジャン・ジンダル社長は「電磁鋼板ラインは電機セクター向けの需要が伸びており、既にフル稼働となっている。JFEとの間で、もう1基建設することを検討している」と述べた。冷延ミル・CGL(年産能力230万トン。内訳は冷延鋼板180万トン、溶融亜鉛めっき鋼板50万トン)については「ほぼフル稼働で、9割の稼働率となっている。自動車向けが堅調であり、半年以内に100%稼働になるのではないか」との見方を示した。

「国内で鉄鋼メーカー買収検討」

 現在の粗鋼生産能力は年産1800万トンあるが「ドルビ製鉄所で500万トン増強し、主力のビジャヤナガル製鉄所を150万トン増やして1350万トンとする。2020年3月までに2450万トン体制を構築したい」と語った。

 インド内で経営に行き詰まった他の鉄鋼メーカーを買収する可能性については「どういう組み合わせで再編したらうまくいくか。経済合理性が高いかを検証している」とした上で「買収するとなったら当社単独でやるか、JFEスチールと共同でやるか、資金負担の面から投資会社を入れるか、などの選択肢を検討している」と述べた。

 伊藤忠丸紅鉄鋼との合弁コイルセンターについては「西部のプネと北部のニューデリーで運営している。さらにグジャラート州やチェンナイなどに増設する案について、伊藤忠丸紅と議論しているところだ」と語った。

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