大一番で痛恨KOのホークス和田、溢れる反省の言葉とリーグ優勝への祈り

ソフトバンクの和田毅投手が、痛恨のノックアウトを食らった。

ソフトバンク・和田毅【写真:藤浦一都】

2度のリードを守れず「全て吐き出すような形で点を取られてしまった」

 ソフトバンクの和田毅投手が、痛恨のノックアウトを食らった。20日、楽天とのクライマックスシリーズ・ファイナルステージ第3戦。2連敗という苦境の中で、重要な先発のマウンドを託された左腕だったが、味方が奪った2度のリードを守れず、5回で大量5点を失って降板。辛くもチームが勝利し、試合後は「調子自体は悪い感じじゃなかったですし、いい感じで入れたんで、でも結果的にああいう結果だったので、全然ダメだったので。中継ぎの皆さんと打撃陣によって何とかチームが勝ったので、それだけは本当に良かったです」と語った。

「1、2戦目に先に点を取られていたので、何とかゼロに抑えたいという気持ちでマウンドに上がりましたし、嫌な流れを変えられるような投球をしたいと思っていた。でも、それを全くできなかった」

 初回、簡単に2死を奪い、上々の立ち上がりを見せたかと思いきや、そこから、銀次、ウィーラー、島内に3連打を許して、いきなり先制点を献上。その裏に味方が2点を奪って逆転してくれたものの、2回にも茂木、藤田に連続適時打を浴びて、再び逆転を許した。

 3回には内川が逆転の3ランを放ち、試合を再びひっくり返したが、5回1死二塁で、甘く入ったスライダーを、アマダーに左中間スタンドへと運ばれた。「真っ直ぐも捉えられていましたし、あまり真っ直ぐ真っ直ぐで押すのもというのもあったので。自分がちゃんといいコースに投げ切れなかった。あまり変化しなかったので、あれだけ甘い球だったら見逃してはくれない」。まさかの同点2ランを被弾。試合を振り出しに戻されてしまい、6回に入るところで交代を告げられた。

 懸命に微調整は試みた。普段は一塁側のプレートの踏む位置を三塁側に変えてみたりと、試行錯誤をしたが、修正仕切れなかった。「変えてみたりとか、何とか自分なりに色々やってみてというのもあったんですけど、それも全然上手くいかなかった。何か自分の中でうまくいかなくて、自分に苛立っているところもありました。やっぱりまだまだダメなんでしょうね」と肩を落とした。

「本当に申し訳なかったですね。味方が必死に点を取ってくれたんですけど、全て吐き出すような形で点を取られてしまった」。せめてもの救いは、チームの勝利だけ。自分自身には反省の言葉しか出てこない。「自分はよりいい形で投げられる準備をするだけ。日本シリーズに向けて、しっかり応援して、日本シリーズで登板があれば、そこで今回のようなピッチングをしないようにしたいと思います」。

 第6戦でブルペン待機する可能性は低い。あとは、頼もしいチームメートが楽天を倒し、日本シリーズ進出を祈るしかない。(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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