物が多くて片付かない!4人家族の上手な収納法

収納が足りない! モノが多い? 部屋の使い方がおかしい? みんなはどうやって片付けているのか知りたい。マンションによくある、収納問題に直面しているお宅の解決法をご紹介します。

子ども2人、4人家族のマンションでの収納はどうする?

6歳と3歳の子どものいるKさん。今のマンションに住みはじめて5年が経ち、子どもたちがどんどん成長して、生活が変化してきています。これからもこのままでいいのか? でも、何からどう手を付けたらいいのか分からない。ということで、Kさん宅の片付けがスタートしました。

部屋ごとに収納の現状をチェック

73平米のマンションに暮らす4人家族のKさん。3LDKなのですが、ひと部屋がパパの書斎なのに納戸のようになっているとのことです。

Kさんによると、「その部屋が活用できていないので、そこを子ども部屋にして、書斎をリビング脇にしようかしら」。そして、「子どもたちの2段ベッドを置いて、収納家具を買い足せば、おもちゃや学用品がそこにしまえるかも」。

部屋の使いみちについて迷っている様子です。

限られた間取りと収納のなかでやりくりしているのは、Kさん宅だけではない

現状を見てみると、書斎にはデスクと本棚があり、大きなオープンラックにはコートを掛けて、マフラーや子どものスイミング用品などが置かれています。備え付けのクローゼットには、夫婦の服とバッグがしまわれていて、すでに埋まっている状態です。

子ども部屋には棚と整理ダンス、おもちゃ箱が置かれ、備え付けのクローゼットには子供服とおもちゃ、節句人形。一部分にはKさんの趣味の道具もあります。その道具を使うのはリビングダイニングなので、収納場所としては都合がいいようです。

「新1年生になる上の子は、ダイニングテーブルで勉強するはず。リビングと子ども部屋が続き間になっているので、広々とした所で今は自由に遊んでいます」とのこと。

子どもたちにとっては、独立した別の部屋ではなく、家族のスペースに近い今の場所が良さそうです。

では、部屋の使い方を変えずに片付けるには、どうしたらいいのでしょう。

大きな収納から片付け始める

どこから手を付けたらいいのか? そのスタート地点を探ります。

どの部屋もきれいに使っているのですが、洋服の収納場所が3カ所に分散しています。書斎には夫婦のオンシーズンのもの、寝室には家族のオフシーズンのもの、子ども部屋には子どもたちのオンシーズンのものといった具合。

収納スペースと服の分量から考えると、季節に合わせて服の入れ替えをしてやりくりする、今のスタイルをそのまま残すのが無理のない収納法です。

積み重なって床が見えない。奥にしまってある荷物までたどり着けない

そこで、この家で一番大きな収納場所に注目。寝室にあるウォークインクローゼット(以下WIC)の使い方を点検することにしました。そのWICの現状を見てみると、持ち物がたくさんあって中に踏み込めない状態になっています。

衣装ケース、棚、旅行カバン、ゴルフバッグ、アウトドア用品、ドアリースなど、ハンガー掛けの服以外の荷物で満杯です。でも、ここが有効に使えれば、シーズンオフの服を中心として、かさ張るレジャー用品などが、もっと使いやすくしまえるかもしれません。

それでは早速、WICの中身を棚卸します。出てきました! 色々なモノたち。

クローゼットの荷物の仕分け作業

収納の中を片付けるときには、そこにある荷物を全部出すことからスタート。

「探していたバッグが出てきた!」「もう着ない子供服がある」「引き出物だけれども使うチャンスがない」「まだ使えるけれど、このチャイルドシートを嫌がるのよ」「譲るつもりが、そのままになっていた」など、いろんな事情のある持ち物が出てきます。

衣装ケースが4個埋もれていた(左)奥にはゴルフバッグやミシン

バザーに出せる新品、リサイクル店に持っていく新品同様のものは、書斎に一時置きすることに。これらを収納してしまうと、またいつかということになって、家の外に出せなくなるのであえて出しておきます。

結果として、今回は捨てるモノが殆どありませんでした。また、新たに収納用品を買い足すこともなく、WICに収まるように次の作業に進みます。

出し入れしやすい収納量の目安を考える

WICに真っ先に戻したいのは、大きな衣装ケース。まずは、その置き場所を決めてから、まわりの使い方を検討します。とはいえ、WICにはハンガーパイプが備わっているので、目いっぱい使えるわけではありません。

特にL字型の場合は、コーナーの部分がデッドスペースに。それでも、そこには使う頻度の低いモノであればしまえます。

衣装ケースの脇にスペースが残っている(左)。手持ちの棚を使って収納量をアップ

そこで、もともとWIC内に置かれていた、オープン棚を活用することにしました。縦置きにすると、丈の長い服の邪魔になるので横置きに。衣装ケースの隣にピタリとはまりました。この棚には、紙袋や保冷バッグなどを収納。空間が無駄なく使えます。

バーベキュー、キャンプ用品はサイドの壁沿いにまとめて立て掛けます。やがて復帰したら使いたいゴルフバッグ、背の高い扇風機が空いたスペースに収まりました。

上段の棚には、ドアリースや正月用品など、必要な時にはすぐ取り出せるように収納。大きな旅行カバンは動かしやすいので、衣装ケースの手前に置いています。

使いたいのに埋もれてしまった、ズボンプレッサーも出しやすい所に置けた!(左)このくらいの量でとどめて、今後の変化に備えられるくらいが目標(右)

マンション住まいでは、大きな持ち物を入れる場所を確保するのが大変です。荷物の分量と収納場所の容量を見比べながら、調整すること約2時間。ひとりで進めるのは大変なので、家族の協力を得て週末に実践してみてはいかがでしょう。

Kさん宅では、ゴルフバックが使いやすい位置に移動したので、ご主人のゴルフ熱がヒートアップしているとか。家族に喜んでもらえるのが何よりなことです。

きっちり、ちゃんとやろうと思うと、なかなか取りかかれないのですが、30分だけでも片付けると使いやすくスッキリします。片付けたいと思っても、捨てたくないモノが多い服の場合は入れ替えて調整してみませんか? たたみ方を変えて収納量を増やすのもいい手です。

(文:すはら ひろこ(収納ガイド))

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