ソフトB内川が4戦連発で日本Sに王手 工藤監督も感嘆「神がかっている」

CS史上初の4試合連続で本塁打を放った内川について、工藤監督はただただ感嘆するように語った。

ソフトバンク・工藤公康監督【写真:藤浦一都】

連敗後の連勝であと1勝、指揮官は救援陣も称賛「踏ん張って勝ったのは大きい」

 21日、ソフトバンクはクライマックスシリーズ(CS)・ファイナルステージ第4戦で楽天に4-3で勝利し、日本シリーズ進出にあと1勝とした。先発のバンデンハークが逆転を許すも、内川聖一と中村晃の連続弾で再逆転。最後は、8回2死からサファテを投入して1点差を守りきった。

 2連敗からの2連勝。アドバンテージを含めて、ついに日本シリーズ進出に王手をかけた。第3戦と同じ、取って取られてのシーソーゲーム。内川が4試合連続本塁打で同点とした直後に中村の決勝弾。最後は守護神を8回2死のアマダーの場面で投入して勝ちをもぎ取った。

「本人(サファテ)には『途中からいくケースもある』と伝えていました。あそこはホームランを一番警戒しなきゃいけないところ。ランナーがいなくてもいってもらうようにしました」

 試合後、工藤監督はこう振り返った。回またぎで4つの三振を奪ったサファテだけではない。嘉弥真新也はここまで左打者に対するワンポイントとして結果を出し、この日も2死二、三塁という大ピンチで見事な火消しを見せた。石川柊太はしっかりと3者凡退に抑えて流れを作り、逆転した直後からモイネロは1回2/3を1安打に抑えた。工藤監督は「厳しい展開になりましたが、本当にリリーフが踏ん張ってこうやって勝ったのは大きい」と、中継ぎ陣の投球を称えた。

CS史上初の4戦連発、内川は「期待した以上のバッティングを見せてくれている」

 打つ方では、CS史上初の4試合連続で本塁打を放った内川について、ただただ感嘆するようにこう語った。

「すごい。何て表現したらいいんでしょうか。神がかっているというか、打席の中での集中力がすごいなという風に見ています。いろんな思いがあると思いますけど、その思いをクライマックス(シリーズ)ですべてぶつけてくれています。期待した以上のバッティングを見せてくれていると思います」

 また、打撃陣全体も中5日の岸孝之に対して粘りを見せ、5回で92球を投げさせたことが2番手・宋家豪の攻略につながった。それについても指揮官は集中力という言葉を使って振り返った。

「岸くんもストレートとカーブがいい投手。緩急をうまく使われると、なかなか粘ることもままならない中で、みんなの『集中して何とか』という思いが球数につながったと思います。昨日から格段にみんな集中力が上がってきたので、いい感じで打席に立っているんじゃないかなと思います」

 あと1つ勝てば日本シリーズ行きの切符を手にすることになる。「とにかく明日、全力でみんなでぶつかっていくことだけを考えてやってきたい」と、指揮官は改めて気を引き締めた。(藤浦一都 / Kazuto Fujiura)

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