【MLBプレーオフ】前田健太の活躍を他球団も「モノマネ」すべき!? 実力派右腕に“転向のススメ”

ドジャース・前田健太【写真:Getty Images】

リリーバー前田の躍動は大きなサプライズに、米メディア「今や救援の龍だ」

 今ポストシーズン(PS)で大きなサプライズとなっているのが、ブルペンへの配置転換で圧巻のパフォーマンスを続けているドジャースの前田健太投手だ。19日(日本時間20日)に敵地で行われたカブスとのリーグ優勝決定シリーズ第5戦でも、2番手で登板してわずか10球で3者凡退とする完璧救援を披露。リリーバーとしてポストシーズン5試合で打者15人を完璧に仕留めており、地元メディアから「救援の龍」と称賛されている。この活躍を受け、他球団の実力派先発右腕にブルペン転向の声が上がるほど、救援起用での成功例として注目を浴びている。

 ワールドシリーズ進出を決めた一戦もパーフェクトだった。9-1と大量リードで迎えた7回。先発カーショーからマウンドを引き継いだ前田は、先頭コントレラスを空振り三振に仕留めると、ラッセルは初球で中飛、バエスは見逃し三振と、10球で3人を片付けた。

  ここまでポストシーズン5試合で打者15人を完璧に抑えている“リリーバー前田”の評価は全米でうなぎ登り。地元メディアの中には、他球団も見習うべき配置転換の成功例として取り上げる記事も出てきた。

 セントルイスラジオ局「101スポーツ」電子版では「マエダはドジャースの先発投手だった。そして、彼は役割が変わった。今や救援の龍だ」と称賛。昨季の世界一カブス打線を圧倒する強大なパワーを「ドラゴン」にたとえている。

 そして、デイブ・ロバーツ監督の決断について、記事では「マエダの配置転換はタイムリーで、クリエイティブで、成功している」と高く評価。レギュラーシーズンで平均91マイル(約146キロ)のファストボールの球速はポストシーズンでは95マイル(約153キロ)にまで上昇。リリーバーとしての佇まいについては「マエダは自然に見える。圧倒的なボールに加え、よりアグレッシブな所作を見せている」と高く評価している。

「MLBのルールでは他のチームの戦略からモノマネをすることは許可されている」

 そして、特集では前田の成功を受け、名門カージナルスの26歳の右腕、マイケル・ワカ投手のブルペンへの配置転換を提案している。ワカはルーキーイヤーの2013年シーズン後半に鮮烈な活躍を見せると、15年には17勝7敗、防御率3.38と活躍し、オールスターにも出場。しかし、16年は7勝7敗で防御率5.09、今季は12勝9敗ながらも防御率4.13と、期待通りの成績を残せていない。

 ワカのブルペン転向を勧める理由として、先発投手としてのスタミナ面の不安に加え、1巡目の打者相手への力強さ、そして、ファストボールとチェンジアップという強力な決め球を持っていることを記事では挙げている。 

「MLBのルールでは他のチームの戦略からモノマネをすることは許可されている。ロサンゼルス・ドジャースのブルペンの強力なタレントがカブスの打撃陣をなで斬りにし、リーグ優勝シリーズを惨劇に変貌させたが、我々はケンタ・マエダの存在に気付かされた」

 このように、リリーバー前田の着想を“コピー”するように、カージナルスに提言している。

 切れ味と制球力抜群のファストボールに加え、宝刀スライダーで右打者キラーとして大舞台で輝きを放つリリーバー前田。本来とは違う役割で躍動する姿は他球団にとっても貴重な教材と言えそうだ。

(Full-Count編集部)

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