古河産業、医療機器事業に参入 販売許可を今月取得

 古河電工グループの中核商社である古河産業(本社・東京都港区、社長・安永哲郎氏)は、2017年度から医療機器の販売事業に参入する。今月、高度管理医療機器などの販売許可を取得。乳がんの検査装置の販売を開始する。

 同社では新領域・新商材を開拓しながら事業を拡大する戦略を展開しており、その一環としての取り組み。今後は医療機関などへの拡販を進めつつ、さらに商材を増やす。初年度の医療機器の販売目標は数億円。

 医療関連は付加価値が高く、今後成長が見込まれる分野。同社では自動車向けやロボット関連と並ぶ重点拡販市場に位置付けている。これまではニッケル―チタン合金の線材を治療器具の素材として供給していたが、新たに機器の販売も始める。古河機械金属子会社の古河シンチテック(本社・福島県いわき市)が製造する乳がんの検査装置を皮切りに医療機器の販売をスタートし、順次商材を拡充する方針。

 今月取得したのは高度管理医療機器等販売業・貸与業の許可証。医療分野での業務経験者や理工系学部の出身者を販売責任者として置くことが求められるもので、保健所長が承認する。取得すればほとんどの検査機器の販売が可能になる。許可の取得により医療機関へのコンタクトが可能になるため、今後は顧客の要望を捉えながらビジネスを拡大させる。許可証は営業を担当するエレクトロニクス部として取得したもの。

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