F3初のコクピット保護機構”ハロ”を採用した『F3アメリカシリーズ』発足

 FIAの統一規定を採用した新たなF3選手権が2018年からアメリカで発足。その新シリーズで使用されるニューマシンも合わせて発表され、F3選手権では初となるコクピット保護デバイス“ハロ”を採用する初のシングルシーター・シリーズになることが明かされた。

 この『F3アメリカシリーズ』は、来年4月にVIRヴァージニア・インターナショナル・レースウェイでの開幕を予定しており、北米の“シングルシーター・ラダー”における新たなステップの一部として組み込まれる。

 現在、北米大陸に存在するジュニア・フォーミュラの登竜門として、マツダが支援する“ロード・トゥ・インディ”プログラム(USF2000、プロ・マツダ、インディ・ライツ、インディカー)と並存し、既存のフォーミュラ4アメリカシリーズからのステップアップを狙う受け皿としての機能が期待されている。

 新型F3マシンは、オンロークによって開発されたリジェ・クロフォードのシャシーに、270PSを発生するホンダ・パフォーマンス・デベロップメント(HPD)製の2リッター直噴ターボエンジンを搭載する。

 またF4モデルとは異なり、ダラーラなどその他のF3マシン同様にアップデート可能なエアロ・パッケージやセーフティ・ストラクチャーが用意される。

「リジェ・クロフォードJS F3はオンローク・オートモーティブの成功作であるF4マシンから技術的継承を受けた次のステップのフォーミュラだ」と語るのは、オンローク・オートモーティブ・ノースアメリカのジェネラルマネージャーを務めるマックス・クロフォード。

 クロフォードは「デンバーの設計チームはFIAの技術部門と包括的に協力し、新世代のF3マシンに求められる技術的要件をすべて満たした。これにより、世界をリードする水準で性能と安全性を両立するマシンが設計、生産可能になったんだ」と自信をみせた。

 この新たなチャンピオンシップのオーガナイザーを務めるSCCAプロ・レーシングは、同シリーズが北米におけるシングルシーター・ドライバーの重要なステップとなるよう期待しているとコメントした。

「SCCAプロ・レーシングによるFIA F3レースシリーズの導入は、パートナーと我々にとって、北米のオープンホイールレースの現在のパラダイムをリセットする絶好の機会だ」と、副社長兼ジェネラルマネージャーのスティーブ・オセス。

「この新たなシリーズの導入により、F3シリーズの上下のステップと組み合わさり、オープンホイール・レースカーのランニングコストを大幅に下げる役割を果たすだろう」

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