日本鋳造、鋳鉄水平連続鋳造材で中国最大手と戦略提携 相互にOEM供給

 日本鋳造(社長・鷲尾勝氏)は、中国の独立系鋳物大手、邯鄲市恒工冶金机機械との間で鋳鉄水平連続鋳造材「マイティバー」に関して戦略的パートナーシップ契約を締結した。邯鄲市恒工冶金机機械(以下、邯鄲)に対して技術支援を行うとともに、日本で販売するマイティバーの一部を邯鄲からOEM調達する。2018年1月受注分から本格的に販売開始する。一方で大断面ダクタイル鋳鉄製の水平連続鋳造材を邯鄲に対してOEM供給し、中国向け輸出の拡大を図る。国内外の販売強化により、同製品の売上高を20年度までに2割拡大することを目指す。

 マイティバーの売上高は日本鋳造の全社売上高の約10%に相当する。邯鄲は鋳鉄水平連続鋳造材の中国最大手で、鋳造材の機械加工にも強みを持つ。日本鋳造は今年から邯鄲に対して大断面ダクタイル製品のOEM供給を開始する一方、邯鄲に製造委託した製品を日本で販売しているが、納期対応で必要な場合など補完的な活用にとどまっていた。

 鋳鉄水平連続鋳造材は砂型鋳造材に比べて内部欠陥がほとんどなく、耐圧性など優れた機械的強度が得られる。組織が緻密で硬度が均一なため切削性が良好で、部品に求められる寸法精度も出しやすい。産機・電機・輸送機用部品や金型など幅広い分野で使用される。

 国内販売では自社製品と邯鄲製品の価格水準を分け、顧客ニーズを見極めていく。自社製品のものづくり力強化、製品競争力の強化にもつなげる。

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