【神鋼の品質データ改ざん】アルミ材採用の新幹線車両、JR4社が安全性確認

 神戸製鋼所の品質データ改ざん問題でJR各社は、問題があった製品を採用した新幹線の安全性を確認したと公表した。神鋼は問題のあったアルミ・銅製品について、国内外約500社のユーザーに安全性確認への協力を要請している。自動車大手がアルミ板の安全性を確認しているが、この動きが自動車以外にも広がっている。

 JR東日本は20日、神鋼製材料を用いた車両・部品を調査した結果、アルミ製の軸箱や車体に不適合品があると発表した。過去10年分の調査を実施した軸箱では、一部製品がJISに定める引っ張り強さの規格に対して約0・4%不足していたほか、応力腐食感受係数の限度値を最大約5%超過していた。またダブルスキン構体に使用されているアルミ押出材製の車体についても過去3年分を調査した結果、合計9編成で許容寸法を外れていたと説明した。

 JR東海も19日、台車部分の一部にJIS規格不適合のアルミ材料を使用していると発表。対象部位は台車枠の荷重を支える軸箱体や軸箱の前蓋、軸バネ座、車体と台車の緩衝機能を持つセミアクティブダンパ受けの計5点で、引張強度などが不足していると説明。このほかJR西日本もジョイントドールダンパ受けなどに利用するアルミ材料が、仕様書で定めるJIS準拠数値を数%下回る製品を確認したとしている。JR九州も軸箱部分でアルミ材を使用していたと明らかにした。

 JR4社はこれら不適合製品について、それぞれ「設計上の限界値に対して十分に余裕がある状態で使用している。安全性については問題がない」と説明している。

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