【スズトクHDが説明会】静脈産業メジャーへ目標、「2025年、売上高1000億円以上」

 鉄スクラップを主力とする総合リサイクル業、スズトクホールディングス(社長・松岡直人氏)は25日、産業革新機構からの増資と、11月1日付で社名を「リバーホールディングス」に変更することに関して、本社で業界紙向けの説明会を開催した。

 12日発表後の同業者からの反応に関しては、鈴木孝雄会長が「具体的な問い合わせはまだない」とした上で「業界にインパクトは与えたと思う。特に政府系ファンドである産業革新機構が静脈産業に投資することは画期的。皆が刺激を受けただろうし、考える材料になる」と意義を強調した。

 目指す静脈産業メジャーの売上高の目標と達成時期については、松岡社長が「当社の3カ年中期経営計画では最終年度の2020年6月期に売上高500億円を目標としている。さらに5年後の2025年までには静脈メジャーの定義である売上高1千億円以上にしたい」と語った。規模を拡大する事業分野に関しては「同業である鉄スクラップ業も対象だが、どちらかと言えば産業廃棄物などの分野でトータルに増やしていきたい」とコメント。金属リサイクルと廃棄物処理の比率や、利益目標に関しては「特に決めていない」とした。

 リバーHDへの社名変更の意味については「スズトクの名前を外すことで客観的なプラットフォームとして機能させたいからだ」と鈴木会長が説明。リバーHD傘下に入る企業は100%の資本統合が条件ではなく、個々の経営の主体性を極力認めていく方針とし「家業の多い日本の静脈企業の特性に合わせ、欧米型とは違う〝日本型〟の静脈メジャーを形成していく」との考えを示した。

 スズトクHDの上場に関しては松岡社長が「約2年前から近い将来の上場を目指して社内体制の整備を進めてきた。今回、産業革新機構が参画することで特別に変わることはない。規定路線を粛々と進める」と述べた。

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