平戸神楽、全24番を披露

 国指定重要無形民俗文化財「平戸神楽」の全24番を通しで公開する平戸大々(だいだい)神楽が26日、平戸市の亀岡神社(下條紀元宮司)神楽殿などであり、住民や観光客らが地元に伝わる伝統文化の奥深さに触れた。

 平戸神楽は、平戸に古くから伝わる神楽を基礎に、全国各地の神楽の要素を加え、江戸時代に平戸藩士が完成させたとされる。演目数によって、小・中・大・大々神楽の4種に分けられ、すべてを舞うのは年に1度の同神社例大祭(平戸くんち)のときだけという。

 神職らが、四方を洗い清め氏子の長寿を祈る「荒塩」や、神の降臨を祈る「二本弊(へい)」を奉納。甲冑(かっちゅう)姿で悪霊退散を祈る「二弓(にきゅう)」に大きな拍手が送られたほか、背中合わせに互いを担ぎ合うアクロバティックな舞が特徴の「神相撲」には、詰め掛けた観客が息をのみながら見守っていた。

 下條宮司(53)は「格式が高く見えるが、神楽は文字通り神と一緒に楽しむもの。今後も若い人たちに、平戸が誇る伝統文化を伝えていきたい」と話した。

 平戸くんちは、27日午前10時から奉祝大祭、午後1時から鎮信流宗家の献茶祭があり閉幕。関連行事として28、29の両日には市中心部で食べ歩き型イベント「2017 平戸くんち城下秋まつり」が開かれる。

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