【神鋼のデータ改ざん】不正品納入先、8割強で安全性確認 「外部調査委員会」を設置、新たな不正事案は4件

 神戸製鋼所は26日、アルミ・銅製品などの品質データを改ざんしていた問題で記者会見を行い、川崎博也会長兼社長らが出席した。26日時点における顧客の安全検証の結果と、コベルコマテリアル銅管・秦野工場におけるJIS表示認定取り消し、新たに判明した不正事案4件について公表した。外部委員のみで構成する外部調査委員会を26日付で設置したことも公表した。

川崎社長「安全性確認に最大限努力」

 新たな事案は神鋼の機械事業部門コーティングサービス(顧客1社)、神鋼造機の鋳物(同1社)・減速機(同1社)、コベルコ科研ターゲット事業本部の試作合金の外販(同神鋼含む8社)の4件と、不適切行為の有無について確認が必要な案件1件がある。

 過去1年分を対象とした自主点検で判明した不正品の納入先である延べ525社が各社製品の安全検証を進めており、このうち229社から「自社製品の安全性を確認した」(A)、91社から「当面の問題はないと判断した(さらなる検証を続ける)」(B)との回答を得て、他の117社について神鋼が「安全確度が高い」(C)と判断して伝えた。この合計は83%に相当する437社になる。残る88社(うち海外は26社)は調査中。

 川崎社長は「全てのお客様が自社製品の安全性を確認される(A)まで最大限努力する」と述べた。

 外部委員会はこれまでの調査に関与せず、神鋼と利害関係のない弁護士を選任した。委員長は松井巌氏(元福岡高検検事長)、委員は山崎恒氏(元札幌高裁長官、元公正取引委員会委員)、和田衛氏(元検事)。調査期間は年内完了をめどとし、調査方法は外部委員会が決める。調査終了後に取締役会に報告する。

 自主点検は神鋼本体の21拠点、国内グループ会社45拠点、海外グループ会社34拠点の計100拠点で、2016年9月~17年8月に行った。

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