島ウェディング実現へ一歩

 五島市地域おこし協力隊のポー・麻梨絵さん(30)=武家屋敷3丁目=と、夫で栃木県下野市教委勤務の米国人、カールさん(30)夫妻の結婚披露宴が28日、五島市玉之浦町の観光地の大瀬山や古民家であった。麻梨絵さんは今後、五島の自然や資源とデザインなどの専門知識を生かした「島ウエディング(結婚式)」実現を目指しており、まずは自らを"試験台"としてプロデュースした。

 麻梨絵さんは両親が五島出身。自身は埼玉や東京で過ごし、2015年4月に同協力隊に就任。当時島の外国語指導助手(ALT)だったカールさんと出会い交際約2年でゴールした。

 当初は絶景の大瀬埼灯台まで下山して実施する予定だったが、この日は大雨で断念し、灯台を見下ろせる展望所で"挙式"。麻梨絵さんは自身で作ったドレスを身に着けてカールさんを驚かせた。牧師役の米国人の友人の進行で誓いの言葉を交わすなど、家族や同僚ら約70人から祝福された。

 披露宴は玉之浦町活性化協議会が昨年、地域の交流施設として改修した古民家「松ノ下」で開催。過疎化が進む中、昔ながらで、手作り感あふれる雰囲気で盛り上げようと地元住民も会場設営や料理、配膳などに奔走した。麻梨絵さんはかつて町民が使った和装を着用。民家前の道路などを歩いて注目されていた。

 麻梨絵さんは来年3月の協力隊の任期終了後も島に残る予定。「島民の子や孫を含め、島外にいる人たちが島でやってみたいと思う企画を考えていきたい」と幸せそうに話した。

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