神戸製鋼・アルミ銅部門、通期経常益を下方修正=データ改ざんで下期30億円減

 神戸製鋼所は、アルミ・銅事業部門の通期経常利益を前回発表比40億円減の100億円に下方修正した。上期経常益は、自動車用アルミ板や銅板条販売が好調だったことなどを受けて2割増の79億円となった。一方で、品質データ改ざん問題などの不適切行為が30億円の減益要因になるとみて下期経常益は21億円にとどめた。

 神戸製鋼は品質データ改ざんや一部製品のJIS認定取り消しなどの問題を受けて、品質管理の適正化による不良率増加によってコストアップや生産量が減少すると予測。また不適合品の在庫処分や顧客離れによる販売減少を見込み「下期業績において30億円の減益要因となる」(梅原尚人副社長)と説明した。需要自体は、アルミ圧延品は缶材や自動車材が堅調を維持するものの、ディスク材販売が停滞する見通し。銅板条や銅管も上期並みの需要が継続すると予想している。

 なお4~9月期連結決算は売上高1743億円(前年同期比7・0%増)、経常利益79億円(同21・5%増)だった。自動車用アルミ材や銅板条需要が堅調だったほか、金属価格の上昇によって収益や在庫評価関係が改善した。アルミ圧延品の販売数量は、飲料用缶材向けの需要が前年同期並みだったものの、自動車向けの需要が増加したことで、圧延品(板・押出)販売量は同3・5%増の19万3千トンだった。

 銅圧延品は、銅管において昨年12月に発生したタイ生産拠点の設備トラブルで販売数量は同8・0%減の4万2千トン。一方で銅板条は自動車用端子や半導体向けの需要が増加したことから、同13・5%増の3万トンだった。

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