神戸製鋼・神戸製鉄所の高炉・製鋼工程休止 加古川は700万トン体制維持

 神戸製鋼所は31日、コスト競争力強化に向けて計画していた神戸製鉄所(神戸市)の高炉と製鋼工程の設備休止を同日までに実行したと発表した。これにより神戸製鉄所は特殊鋼線材・棒鋼の下工程に特化し、加古川製鉄所(兵庫県加古川市)から半製品供給を受ける体制になる。加古川は高炉の稼働率を高めることでこれまでと同規模の粗鋼年産700万トン体制の維持を目指す。

 今回の上工程集約は2013年度に計画を決め、これまで加古川の設備増強など準備を進めていた。神戸から加古川に生産を移管する製品の品質確認や顧客のアプルーバル(品質承認)取得が順調なため、計画通り神戸の上工程設備を休止した。31日までに転炉や連続鋳造機などの製鋼設備、第3高炉(炉容積2112立方メートル)を休止した。11月3日には社内関係者を中心とした「上工程休止式」を現地で行う予定。

 神戸3高炉は12月から解体に入り、跡地に石炭火力発電所を建設する。

 加古川は高炉2基体制で、これまでに今回の生産集約に必要な製鋼工程の能力増強を総額655億円を投じて実施した。増強設備は6号連続鋳造工場新設や第2分塊工場の加熱炉増設、真空脱ガス炉と取鍋精錬炉の各1基増設、ビレットヤード整備など。今後、神戸には半製品のビレットなどを供給する。

 今回の神戸の高炉休止により、国内で稼働する高炉は25基となる。

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