白銅、埼玉工場(加須市)を新設 北関東地区の販売強化、神奈川工場の増強も検討

 非鉄流通大手の白銅(社長・角田浩司氏)は埼玉県加須市に埼玉工場を新設し、6日から稼働を開始する。主力拠点の神奈川工場(神奈川県厚木市)の一部在庫・加工機能を移管し、北関東地区の販売を強化する。併せて神奈川工場で生じていた手狭感を解消し、アルミ板やステンレス板の加工能力増強につなげていく方針。

 埼玉県加須市の工業団地内に立地する埼玉工場は、白銅にとって神奈川工場、滋賀工場(滋賀県蒲生郡)、福島工場(福島県郡山市)、九州工場(佐賀県鳥栖市)に次ぐ国内で五つ目の工場。既存工場を賃借したもので、建屋面積は約2400平方メートル。

 神奈川工場からアルミ(型材・丸棒)、ステンレス(角材・型材・丸棒)、伸銅品(角材・型材・丸棒・管)の製品在庫と切断機数台や梱包設備を移管する。在庫能力は約1千トン。神奈川工場の管轄に入り、スタート時には約20人が働く計画となっている。

 新工場の設置は、神奈川工場の手狭感解消と北関東エリアの営業強化を狙ったもの。神奈川工場では、足元の半導体・液晶製造装置需要の拡大に対応するため各種加工機を増強している。また金属3Dプリンターを活用した造形サービスにも力を入れており、相次ぐ設備投資によって神奈川工場では生産スペースが不足していた。隣接地にも空きスペースがなかったため、今年4月ごろから神奈川工場と福島工場の間で、圏央道にもアクセスできる立地で新工場の敷地を探していた。今回、加須市に出荷業務ができる拠点を置くことで、北関東エリアの配送拠点としての役割も持たせる。

 新工場の開設で余剰スペースが生まれた神奈川工場では、レイアウトの最適化や生産効率の改善を図る。併せて、主力事業のアルミ板・ステンレス板の加工能力増強を計画している。「現時点でどういう設備を導入するかは決めていない」(白銅)ものの、需要が旺盛な半導体・液晶製造装置部材の生産能力を引き上げたい考えだ。

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