沖電気、沖電線を完全子会社化 拡販活動・技術開発でシナジー

 沖電気工業は31日、持分法適用会社である沖電線に対して株式公開買い付けを実施すると発表した。現在沖電気は沖電線株の約36%を保有。完全子会社化を目指し11月1日から買い付けを始める。収益力向上に向けて、経営資源の相互活用などでグループの総合力を強化することが狙い。経営戦略の共有化でより機動的な経営判断が可能な体制を構築する。完全子会社化後は拡販活動や技術開発でシナジー創出を目指す。

 完全子会社化により意思決定の迅速化に加えて、グループ内の人的リソースをさらに活用できる体制となるため沖電線の企業価値向上と沖電気グループ全体の収益基盤の強化が図れる。今後は両社の顧客基盤を相互活用した拡販活動や、技術やサービスの連携強化による付加価値の向上、要素技術の組み合わせによる新分野の開拓などでシナジー創出を目指していく。合わせて製造技術・ノウハウの共有によるコスト削減の効果にも期待している。

 顧客基盤の相互活用では両社とも医療や精密機器に関係するセグメントが多い。相互の顧客を軸とした製品の更なる拡販が可能になると見ている。技術での連携強化では沖電気のプリント配線板と沖電線のFPC(フレキシブル基板)などで相乗効果を見込む。沖電線は上場廃止になる予定。

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