日本S明暗分ける打線起用、徳俵で迎える第4戦、DeNA打順変更はあるのか

DeNAのアレックス・ラミレス監督【写真:編集部】

DeNAはシーズン中の起用にこだわり、打線が機能せず

 本拠地・横浜スタジアムに戻っても、DeNAは勝てなかった。10月31日の第3戦は2-3という最少得点差だったが、敗れたDeNAは0勝3敗となり、ソフトバンクに王手をかけられた。敗因はいろいろあるが、最大の問題は、打線が機能していないことだ。

 3試合の両軍の打順別の打撃成績を見てみよう。

【DeNA】
1番 13打数0安打0本1打点0得点1四死球 打率.000
2番 11打数2安打1本1打点1得点2四死球 打率.082
3番 12打数2安打1本1打点2得点0四死球 打率.167
4番 8打数3安打0本0打点1得点2四死球 打率.375
5番 10打数2安打1本2打点1得点2四死球 打率.200
6番 8打数1安打0本0打点0得点2四死球 打率.125
7番 11打数2安打0本0打点0得点1四死球 打率.182
8番 12打数1安打0本0打点1得点0四死球 打率.083
9番 10打数5安打0本1打点0得点1四死球 打率0.500
通算 95打数18安打3本6打点6得点11四死球 打率.189

 ラミレス監督はシリーズ前に、「シリーズのキーマンは桑原、塁に出れば得点につながる」と言ったが、その「1番」桑原は、3試合で出塁は四球の1回だけ。全く機能していない。皮肉なことに、ラミレス監督の予言は逆の意味で当たってしまった。

 4番の筒香が当たっているし、本塁打もチームで3本出ている。桑原が出塁していれば、少なくとも1点差で負けた2試合は、どんな展開になっていたか分からなかった。

 対照的に、9番で固定された倉本は第3戦も3安打と大当たりだ。

 ラミレス監督は、CSではシーズンと異なる選手起用で勝利をものにしてきたが、日本シリーズではシーズンのままの打順にこだわって結果を出していない。少し手遅れの感があるが、桑原と倉本の入れ替えをすべきではないか。

ソフトバンクは柳田が3戦連続、第1打席に安打→得点

【ソフトバンク】

1番 12打数5安打0本3打点5得点2四死球 打率.417
2番 10打数1安打0本2打点2得点2四死球 打率.100
3番 12打数5安打0本3打点1得点0四死球 打率.417
4番 10打数3安打0本1打点0得点2四死球 打率.300
5番 7打数1安打0本2打点0得点5四死球 打率.143
6番 12打数2安打0本0打点3得点0四死球 打率.167
7番 10打数4安打1本3打点3得点2四死球 打率.400
8番 10打数2安打0本2打点2得点1四死球 打率.200
9番 9打数1安打0本1打点1得点1四死球 打率.111
通算 92打数24安打1本17打点17得点15四死球 打率.261

 日本シリーズにぎりぎりで間に合った柳田悠岐を1番に据えたことが大当たり。柳田は1回の先頭打席で3打数3安打、そしてすべて本塁に帰ってきている。もともと戦力的に優位と見られたソフトバンクが、立ち上がりにリードする。DeNAに与える心理面でのプレッシャーは大きいはずだ。

 3番デスパイネ、4番内川も好調。そして5番の中村晃は打率こそ1割台だが、5四死球を選んでいる。ソフトバンクは、内川、柳田とシーズン中離脱していた主軸が復帰して、打線が強化された。これを活かして「日本シリーズ仕様」のオーダーを組んで成功しているのだ。

 結局は、両チームの「1番の差」が明暗を分けたと言える。追い込まれたDeNAのラミレス監督は、正念場の第4戦はどんな打線を組んでくるだろうか。

(Full-Count編集部)

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