東洋鋼鈑、ニッケルめっき・電気めっき鋼板の販売増加 車、電子部品向けなど需要旺盛

 東洋鋼鈑の鋼板関連事業をめぐり、ニッケルめっき鋼板や電気亜鉛めっき鋼板の販売数量が伸びている。ベアリングシールや車載・民生用電池をはじめ堅調な国内外の需要を背景に自動車・産業機械や電気・電子部品向けの売上げが相次ぎ拡大。売上げの過半を占める缶用材料とそれを除く鋼板の輸出比率が並ぶなど、鋼板関連事業のけん引役を担っている。

 1日に東京都内で開催した決算説明会で同社の幹部が明らかにした。2017年度上期(17年4~9月)の売上げは、缶用材料が前年同期を6%下回ったのに対し、電気亜鉛めっき鋼板を中心に自動車・産業機械部品向けが29%増、ニッケルめっき鋼板に代表される電気・電子部品向けが25%増を記録。建築・家電向けも4%の増収となった。

 鋼板関連事業の売上げ(約408億円)では、用途別の構成比率も変容する。缶用材料が53・5%と最多ながら前年同期より6ポイント低下したのに対し、電気・電子が3・5ポイント増の20・9%、車輌・産業機械は2・5ポイント増の12・9%に移行。売上全体の22%に当たる輸出も「缶用材料とそれ以外の鋼板の比率はほぼ一対一ぐらい」(宮地正文専務)で推移する。

 主力生産拠点の下松事業所(山口県下松市)は「ニッケルめっき鋼板と電気亜鉛めっき鋼板の製造ラインがフル稼働の状態」(隅田博彦社長)といい、今後も高い生産水準を見込む。その一環でニッケルめっき鋼板のめっき槽を増設する工事に踏み切っている。

 5月から全面操業に入ったトルコで展開する表面処理鋼板の合弁工場では「生産と販売、受注が計画を少し上回る水準」(隅田社長)で進捗しており、「18年度のフル稼働に向けて、ブリキをはじめ品質や生産性の向上に取り組んでいく」(同)。

© 株式会社鉄鋼新聞社