チンパンジー、ゲノム変異割合高く 京大解読、ヒトの1.5倍

 チンパンジーの父、母、子の3匹のゲノム(全遺伝情報)を高精度で解読することに、京都大高等研究院の松沢哲郎特別教授や自然科学研究機構新分野創成センターの郷康広准教授のグループが成功した。ヒトやチンパンジーの進化の過程を探る手かがりとなる成果で、英科学誌サイエンティフィック・リポーツでこのほど発表した。

 ゲノムの塩基配列のごく一部は、親から子に引き継がれる段階で突然変異し、進化や病気の要因となる。チンパンジー1匹分のゲノムは既に解読されているが、世代を経るごとに変異がどのように蓄積されていくかを解析するため、京大霊長類研究所で暮らす3匹のゲノムを調べた。

 グループは、遺伝子の塩基配列情報を正確に得るため、3匹の全ゲノムを150回にわたって最新の装置で調べた。解析の結果、一つの塩基が別の塩基に置き換わるタイプの変異は、親から子に引き継がれる段階で、1億個の塩基当たり平均1・5個の割合で発生しており、全体では45個が見つかった。この割合はヒトの約1・5倍に当たるという。

 松沢特別教授は「1世代当たりのゲノム変異の割合は、ヒトやチンパンジーが共通祖先からいつ分岐したかを推定するのに役立つ。さらにデータを集めて、進化の研究に生かしたい」と話している。

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