マーリンズが契約選択権を行使せずFAに、「キャリアの岐路となるかも」との報道も
マーリンズは3日(日本時間4日)、球団が持つイチロー外野手との2018年の契約オプションを行使しないと発表した。イチローはフリーエージェント(FA)となり、マーリンズを含む全30球団との交渉が可能になる。地元紙は「マーリンズがベースボールのレジェンドと別れを告げる」「キャリアの岐路となる可能性も」など報じている。
背番号51の契約オプションを行使しないというマーリンズの判断で、アメリカには大きな反響が広がっている。
地元紙「サンセンチネル」は「マーリンズは2018年にイチローを呼び戻さず」と特集。記事では「イチローに別れを告げるということは、マーリンズは勤勉さと緻密なルーティンで球界で高く評価されている未来の殿堂入り選手の慰留を見送ったことになる」と指摘した。
さらに、今季はスロースタートだったものの、オールスター明けに打率.299を記録したデータを紹介。スタントン、イエリッチ、オズナの外野トリオが今季は怪我なく好調だったために、先発出場は22試合だったが、「これはイチローが球界で最も好成績を残したピンチヒッターとなる助けとなった」と指摘。さらに、109打席100打数というメジャー記録に加え、歴代最多にあと1本に迫る27安打を放ったことなど、代打として金字塔を打ち立てたことも紹介している。
一方、地元テレビ局「CBSスポーツ」電子版は「マーリンズはイチロー・スズキのオプションを行使せず そしてこれはキャリアの岐路となるかもしれない」との見出しで報じている。
球界の中でも重要なニュースに、「ある決断は他の決断よりも重要である」
記事では「リーグ全体でオプションが行使されたり、されない時期ではあるが、ある決断は他の決断よりも重要である」と、44歳のベテランに対するオプション行使の球界における重要性を指摘。さらに、今季キャリア最少の136試合の出場に終わったイチローが、来季の開幕ロースターには入れない危険性も存在するという。
45歳でのロースター入りとなれば、2012年のオマー・ビスケル以来となることに言及しつつ、「もし所属先の模索がうまくいかなかったとしても、何も恥じることはない。彼は未来の殿堂入り選手で、27歳まで日本からメジャーにやってこなかったにもかかわらず、3000本安打以上を記録しているのだ」と偉大なキャリアを紹介している。
地元紙「マイアミ・ヘラルド」は「さらばイチロー。マイアミはベースボールのレジェンドと別れを告げる」との見出しで特集。イチローの古巣でもある地元紙「シアトル・タイムズ」も「マーリンズはイチロー・スズキの200万ドル(約2億2800万円)のオプションを拒否」との見出しで報じ、スポーツ専門誌「スポーツ・イラストレイティッド」も「マーリンズはヒット・キング、イチロー・スズキとのオプションを行使せず。彼をフリーエージェントにする」と特集している。
50歳まで現役続行を見据えるイチローは来季、どのチームでプレーすることになるのか。それとも勇姿は見納めとなってしまうのか。米メディアもまたレジェンドの去就に注目している。
(高橋昌江 / Masae Takahashi)