《オギノマ》GOOD LIFE WITH NICE THINGS.

2人の出会いは約3年半前、ロサンゼルスで開かれたナチュラルエキスポにて。初めて2人が会った時待ち合わせ場所 でちょっとしたすれ違いがあったのも、お互いを印象付けたのだとか

 今月号のゲストは雑誌「nice things.」編集長の谷合貢さん。
健康&美容雑誌がどうしてライフスタイル誌に変わったのか?雑誌の進化を辿りながら“素敵なものに囲まれたいい生活”について考えます。

小木:今月のゲストは、ライフスタイルマガジン「nice things.」の谷合編集長です。今日は、ありがとうございます!

谷合:実は、こうやって取材を受けて表に出るのは苦手なんです(苦笑)

小木: 編集者って裏方ですもんね(笑)。谷合さんは、僕が一番長くお付き合いさせていただいている編集長。ご自身で立ち上げた出版社の代表でもあります。骨を埋める覚悟を持って、魂を込めて雑誌を作っている方で、ぜひ、お話をじっくりと聞かせていただきたかったんです。まずは、雑誌誕生のきっかけを教えてください。もともと「nice things.」は、健康や美容をテーマにした「body+」という雑誌でしたよね?

谷合:はい。「body+」は、別の出版社から発行していた雑誌で、最初は、依頼があって編集を手がけていました。それが数年前から、自分たちの会社が発行元になり、誌名も「nice things.」に変えたんです。誌面の内容も変えていきました。

小木:「body+」時代は、ダイエットやインナービューティ特集などが多かった気がします。

谷合:かつては、痩せるための方法論とか、栄養素がどうとか、機能的で直接的に体を変えていくという内容が多かったです。

小木:今は、だいぶ変わりましたよね?

谷合:はい。健康であるということは、生活の中で何を大事にするのか、ということが重要だと気づいたんです。本質を突き詰めていけば、生活そのものに行き着くんだと。

小木:だから今は、衣食住といった暮らしに関する特集が多いんですね。まさにGOOD LIFE WITH NICE THINGS!

谷合:僕らは、情報を発信するよりも、スタイルを発信したいと思っているんですよ。

小木:というと?

谷合:情報を探すことはインターネットで簡単にできます。たとえば京都の情報だったら、インターネットで探した方が情報量も多いし、無料じゃないですか。だから雑誌は、情報以上に価値のあるものにしたい。今まで、読者の中になかった世界観や考え方を伝えていきたいんです。

小木:確かに「nice things.」は、お店やアイテムをずらっと並べて紹介するようなぺージはありませんよね。

谷合:特集全体を読むことによって、意味が生まれるような作りになるようにしています。

小木:そして日本各地に行って、日々を丁寧に暮らしている人たちを取材している。その彼らの暮らしぶり、生き方のスタイルを誌面を通じて紹介しているなと。僕らコスメキッチンも、そういった生活を大事にしたいと思う人たちにこそ、お店へ来てもらいたいと思っています。

谷合:今は、物が溢れるほどあります。そのたくさんある物の中から、”なぜこれを選ぶのか“とか”これはどうやって作られたのか“ということを消費者がきちんと考えるようになってきました。安いからという理由だけではもう選ばない。オーガニックやナチュラルなものは、自分にとって意義がある買い物は何か、ということを突き詰めて行くと辿り着くものですよね。

小木:自分らしい生活をおくる。そのための”選ぶ“お手伝いをしたいと、僕らもいつも思っています。そういった考え方に共感できるから、「nice things.」とのお付き合いが続いているんでしょうね。今日もありがとうございました!

谷合:こちらこそ、これからもよろしくお願いします。

「nice things.」編集長 谷合 貢さん

1988年に出版社ミディアムを設立。1996年にストリートカルチャー誌「Ollie」を創刊。これまでに数誌の雑誌立ち上げを手がけ、今年は道具をテーマにした「CONTEXT」を創刊

http://nicethings.jp

LATEST ISSUE

「nice things.」10月号の特集は「暮らす、場所。働く場所。」北海道から九州まで、日本各地15組の暮らしと働き方を紹介している。巻末に書かれた谷合編集長のメッセージもお見逃しなく!

© 株式会社産業経済新聞社