ホークス戦力外→育成契約へ…甲子園V左腕・島袋が明かす「あと1年」の覚悟

ソフトバンクから戦力外通告を受けた島袋洋奨【写真:福谷佑介】

春夏連覇の甲子園V左腕に非情通告、その胸中は

 かつての甲子園春夏連覇を果たした左腕も、非情通告を受けた1人だ。ソフトバンクの島袋洋奨投手。2014年のドラフト5位で中央大からソフトバンクに入団した左腕は戦力外通告を受け、5日には球団から正式に来季の契約を結ばないことを通告したと発表された。

 2010年に沖縄・興南高のエースとしてセンバツV、そして沖縄県勢初となる夏の選手権で優勝。史上6校目となる春夏連覇を果たし“琉球トルネード”として世間を沸かせた島袋。このときは、プロ志望届は提出せずに中央大学に進学した。

 中央大入学後すぐは、いきなりベンチメンバーに入り、リーグ戦でも登板。だが、2年時に左肘を故障した後は状態を崩し、大不振に陥った。それでも、ソフトバンクにドラフト5位指名を受け、プロの世界に飛び込んだ。

 プロ1年目の2015年、9月25日のロッテ戦(QVC)で1軍初登板を果たし、今季からチームメートとなったアルフレド・デスパイネから初の三振を奪っている。ただ、1軍での登板は1年目の2試合だけ。昨季、1軍昇格はなかった。

 3年目の今季は春のキャンプから主力組主体のA組に組み入れられ、期待を寄せられていたものの、1軍の切符は掴めず。ウエスタンリーグでも27試合に投げて1勝1敗、防御率4.63という成績だった。左肘に違和感を抱えており、8月29日に肘の遊離軟骨除去の手術を受けて、復帰まで3~4か月の見込みと診断されている。

他球団からのオファーを受けることもできるが…

 現在、術後2か月ほどでリハビリの最中にある。支配下選手として戦力外の通告は受けたが、ソフトバンク側は育成選手として再契約する方針だ。まだ、実戦で投げられる状態にはなく、トライアウトを受けることも出来ない。他球団からのオファーを待つこともできるが、「ありがたい話なので、そこを第一に考えています」と球団からの打診を受諾する方向だという。

 非情の通告を受けたのは、1軍が日本シリーズを戦っている10月29日。その時のことを「怪我をしたときから、何となく感じてはいたので、話が来た時は、やっぱりなと思ったのと来てしまったかという感じでした」と振り返り「こういう(育成という)話をいただいているのはありがたいこと。とりあえずやるだけです。ホークスにお世話になるなら、あと1年という覚悟でやっていこうと思っています」。

 11月下旬には投球練習を再開出来る見通しで、来春キャンプには万全の状態に戻すことができる。

「春のキャンプでは投げられる状態になると思うので、そこからどれだけアピール出来るか。這い上がるしかない。それしかないので、そこに勝負をかける1年になりますね」

 甲子園春夏連続優勝という輝かしい過去を誇る左腕が、育成から這い上がることができるか。

(Full-Count編集部)

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