環境省・中央環境審議会、雑品スクラップ対策など議論

 環境省は2日、東京都港区のTKP赤坂カンファレンスルームで、第9回目となる中央環境審議会の廃棄物処理制度専門委員会を開催。有害物を含む雑品スクラップ対策などについて、当面の検討課題を議論した。

 雑品スクラップは、エアコンなどの使用済み電気電子機器に低品位の金属スクラップなどが混合しているものを指す。国内でのリサイクルが困難であることから、乱雑に破砕されて海外に輸出されることが多く、海外で不適正な処理が行われたり、港湾や船舶で火災事故が相次ぐなどの問題が起きている。

 これらを受けて、同審議会では有害使用済機器の保管・処分基準の明確化や届出事項の義務付けなどを整備を進めてきた。今回の議論では、主に「対象品目が限定されている点」「不法投棄の増大の懸念」「生活環境保全の観点からの雑品スクラップの保管場所に関する規制がない」などの問題点について意見交換が行われた。

 ある委員は「施策の目的は不適正なスクラップ業者を市場から退出させ、あるいは適正な業者に変わっていただくことだが、明らかな業務用製品については対象品目から除外されており、その効果が疑問視される」と指摘した。審議会では今後も流通の実態把握に努め、検討を重ねる方針。

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