共英製鋼、ベトナム電炉に20%出資 ビレット安定調達、鉄筋販路も開拓

 共英製鋼(社長・森光廣氏)は6日、ベトナム北部の電炉メーカー、ベトナム・イタリー・スチール(VIS社)に資本参加すると発表した。共英のベトナム北部子会社、キョウエイ・スチール・ベトナム(KSVC社)がビレットを購入しているメーカーで、VIS社の大株主であるタイ・フン・トレーディング社から株式約20%(取得額約19億円)をきょう7日付けで取得する。

 VIS社はベトナム北部のフンエン省にある電炉メーカー。年産能力は製鋼45万トン、圧延30万トン。鉄筋など棒鋼と線材およびビレットなど半製品を生産販売する。資本金は約3250万米ドル。2016年12月期の売上高は1億6500万米ドル、税引前利益330万米ドル。タイ・フン社が約66%を出資している。

 共英は今回のVIS社出資に合わせ、大株主で鉄鋼製品販売大手のタイ・フン社およびVIS社との連携強化を協議していく。

 共英のKSVC社は現在、鉄筋、線材の単圧メーカーで、年間28万トンを生産・販売する。今年8月に年産50万トンの電炉製鋼圧延一貫工場の建設を決定。19年に圧延、20年に製鋼をそれぞれ立ち上げるが、圧延ラインが既存ライン(年産能力約30万トン)と合わせ2ラインになり、引き続き半製品を購入していく。

 VIS社の大株主であるタイ・フン社は、自社グループで電炉メーカーを持つとともに有力な鉄鋼商社としてベトナムで鉄鋼製品を販売している。

 共英はベトナム南部で電炉子会社、ビナ・キョウエイ・スチール(VKS社、年産能力90万トン)を経営しており、20年には北部のKSVC社と合わせ年間170万トンの生産能力になる。

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