日本製鋼所と月島機械、生産提携を検討 室蘭の設備を有効活用

 日本製鋼所と月島機械は6日、製造分野の協業に関して共同検討を開始することで合意したと発表した。日本製鋼所・室蘭製作所が圧力容器など溶接組立品で培ってきた技術・技能や保有設備を生かし、月島機械が製造・販売している機械設備の一部を室蘭で製造することなどを協議する。日鋼は既存設備や要員を有効活用でき、月島機械は日鋼の経営資源を活用して競争力を高められる。協業実施の有無を含めて協議を進め、今年度末までに方向性を決める方針だ。

 日鋼・室蘭は大型鋳鍛鋼品やクラッド鋼板・鋼管の世界的拠点。原発建設・増設の停滞などエネルギー関連市場を取り巻く環境が激変し、海外企業との競争が激化する中で、室蘭関連の減損損失を2期連続(2015年度354億円、16年度175億円)で計上するなど、生産効率の改善やコストダウンに注力する。

 今期は2期ぶりの部門利益を見込むが、受注環境は依然厳しいため、大型の産業機械や環境装置を得意とする月島機械との協業を検討する。

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