【新日鉄住金と中国宝武鋼鉄 友好協力40周年(下)】合弁事業、3社に増加

進藤社長「緊密かつ成熟した関係を」

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 「新日鉄住金と中国宝武鋼鉄の両社は、40年来の信頼関係と3つの合弁事業を大事にしながら、今まで以上に『緊密かつ成熟した関係』を構築していく」。

 11月4日に上海で開かれた友好協力40周年式典。新日鉄住金の進藤孝生社長はこう祝辞を述べた。

 当時の新日本製鉄が協力し誕生した宝山鋼鉄は、拡張を重ね中国を代表する高炉メーカーになっていく。中国自身が経済成長し、鉄鋼需要も伸びる中で、両社はその捕捉を狙いパートナーとして合弁事業を形成してきた。その先駆けとなったのは1996年に操業した電炉事業の南通宝鋼新日製鋼。まだ中国での事業投資が一般的でない時代で、試験的な意味合いから旧新日鉄が20%出資した宝鋼と初の合弁事業だ。

 南通は07年に新日鉄が株式を手放し合弁事業でなくなったが、パイロット事業としての役目は大いに果たした。この経験を元にして05年には新日鉄と宝鋼、アルセロール(当時)が出資する自動車用冷延と溶融亜鉛めっき鋼板を造る宝鋼新日鉄自動車鋼板(BNA)が稼働。今では溶融亜鉛めっきライン(CGL)4基を擁するまで増強され、成功を収めている。

 この新日鉄―宝鋼の合弁事業は、両社の再編によってさらに広がる。13年末に操業を開始した新日鉄住金と武漢鋼鉄のブリキ合弁、武鋼新日鉄(武漢)ブリキ(略称・WINスチール)は、武鋼が宝鋼と経営統合したことで宝武鋼鉄との合弁事業に。旧宝鋼のブリキ事業とシナジーを発揮し、中国の高級ブリキ市場では圧倒的な存在となった。

 一方、98年から宝鋼とステンレス冷延合弁事業の寧波宝新ステンレスを手掛けてきた日新製鋼は今年から新日鉄住金グループの一員に。かくして両社の合弁は3社となり、今回の式典にはBNA董事長の佐伯康光副社長、WINスチール董事長の橋本英二副社長、そして今回は日新製鋼から初めて柳川欽也社長が出席している。

 建設当時は荒野が広がっていた上海・宝山地区も開発が進み、今では製鉄所の眼前にまでマンションが建てられるまで様変わりした。両社の姿も40年を経て変化したが、さまざまな歴史を重ねてきたパートナー関係に変わりない。(黒澤 広之)