昭和電線HD、鉄道関連分野に注力 軽量化・防災需要に対応

 昭和電線ホールディングスでは鉄道関連分野での事業拡大に注力している。電鉄会社の設備投資が右肩上がりで拡大する中、機器の小型・軽量化や鉄道の快適性・防災性向上のニーズに応える。電力機器部品や防振製品を鉄道向けに積極展開。併せて落雷の影響を抑える特殊な接地線の事業化を進める。

 同社では鉄道関連市場を自動車関連や医療関連などと並ぶ成長分野として位置付けており、技術を生かした高付加価値製品で事業拡大を図っている。電力機器部品では機器などの小型化・軽量化への対応を推進。車両の変圧器に回りで使用するTコネクタ用ブッシングなどに注力する。今後は顧客の動きに合わせて国内外の需要を取り込む方針。防振部材では車両の快適性を高めるなどの需要に応える。空調の音を車体に伝えない防振部材や変圧器用の揺れを抑える部材を拡販する。

 また接地線は防災性の向上に貢献。鉄道システムでは電流ノイズに対し敏感な機器が多く、落雷があっても鉄道を安定的に運行する需要が高い。同社では鉄道総合技術研究所・JR西日本と共同で、細径の線に絶縁被覆を施して束ねた接地線を開発。特殊な構造で落雷による機器への影響を最小限にとどめられることが特長で、18年度以降の売り上げに期待している。併せて短時間で新型接地線を接続する端子もそろえる。長谷川隆代取締役は「インフラと車両の双方で取り組みを強化し、鉄道分野を収益拡大に貢献させたい」としている。

© 株式会社鉄鋼新聞社