日本鋳造などが構成するレンズダンパー推進協議会、共同開発の制震ダンパーをRC造にも適用=取付け構法を開発

 日本鋳造、飛島建設、鉄建建設などが構成するレンズダンパー推進協議会は、制震システム「レンズダンパー」について鉄筋コンクリート(RC)造への取付け構法を新たに考案し、特許を出願した。実大試験体を用いた構造性能確認試験も行い、考案した取付け構法による制震効果を実証している。鉄骨(S)造に加えてRC造への適用も可能としたことで、レンズダンパーの普及拡大を加速する。

 レンズダンパーは日本鋳造などが共同開発した制震システム。優れた伸び性能を持つ低降伏点鋼材(LY材)をせん断パネルに使用し、パネル両面の中央部に凹形状の球面加工を施し、ボルト接合により構造物に取り付ける。独特の形状により応力・ひずみを分散させ、パネル全体で地震エネルギーを吸収できるため、繰り返し地震や大地震に強い。

 建築・土木関係で採用されており、建築向けでは間柱型が主力となっている。間柱型で使用する場合、開口部を遮らず、低コストで設置できる特徴や、新築・改築や内壁・外壁のどちらにも対応できるフレキシブル性がとくに生かせる。

 RC造間柱ではボルト接合で直接取り付けられないため、新たに取付け構法を考案。PC鋼棒型、アンカーボルト型、嵌込み型の3構法で、日本鋳造など技術検討委員会のメンバー6社が8月に特許を出願した。日本大学の大型構造物試験棟での構造性能確認試験を行い、レンズダンパーの性能を十分発揮することを実証している。

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