アイシン精機、ATの生産体制強化

 アイシン精機は先月31日、オートマチックトランスミッション(AT)の生産体制を強化すると発表した。今後のグローバル市場におけるATの需要拡大に対応するため中国、日本を中心に新工場の建設などを実施。大きく五つの投資案件を通じてATの生産台数を20年に1250万台まで引き上げる。

 国内外の2拠点でAT組み立て工場を増強する。アイシン・エィ・ダブリュ(愛知県安城市)は、AT生産子会社「エィ・ダブリュ瑞浪」を11月に設立し、来年12月から年産40万台の能力を持つ工場を稼働させる。海外では中国・天津市にある「天津エィ・ダブリュ自動変速機」にFF6速ATの組立てラインを増設。19年4月から生産を開始する計画。

 組み立て工場だけでなくAT構成部品工場の能力増強も実施する。今年8月に増設したアイシン精機の西尾ダイカスト工場南棟をさらに拡張し、来年10月から稼働を開始させる。アイシン・エィ・ダブリュ工業(福井県越前市)は、AT部品であるトルクコンバータとトランスミッション部品の生産に向けて、11月に福井県三方上中郡若狭町の若狭テクノバレーに「エィ・ダブリュ工業・若狭」を設立する。このほかデフケースの加工を行うアイシン高丘(愛知県豊田市)の本社工場と、アイシン新和(富山県射水市)の本社工場の拡張・生産ラインの増設を実施し、鋳鉄部品の生産能力を引き上げる。アイシン高丘は18年5月、アイシン新和は18年6月に生産開始する見込み。

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