DOWAホールディングス、メキシコ鉱山の開発開始 亜鉛の自山鉱比率40%に倍増

 DOWAホールディングスは7日、子会社のDOWAメタルマインが、米国のサンシャイン・シルバー・マイニング&リファイニング社(SSMRC)と共同で推進するロス・ガトス銀・亜鉛・鉛鉱山プロジェクト(メキシコ)の開発工事を開始すると発表した。開発費用は3億1600万米ドル。操業期間は19年下期から約12年間で、亜鉛精鉱約5万トン/年、鉛精鉱約3万トン/年を生産する。

 DOWAは生産される高品位亜鉛精鉱全量を引き取る権利を有する。すでに権益を保有するティサパ亜鉛鉱山(メキシコ)と合わせ、同社の自山鉱比率は足元の約20%から約40%まで倍増する見込み。

 1月に完成したフィージビリティ・スタディでは、建設した約1400メートルの斜坑内で着鉱した鉱石を使用して選鉱試験などを実施し、環境影響評価も含めて十分な経済性を有するとの結論を得ていた。同プロジェクトの開発操業会社であるミネラ・プラタ・レアル社が開発に必要な環境許認可などを取得できたため、両者で開発工事を開始することで合意した。

 同鉱山(権益比率DOWA30%、SSMRC70%)は、メキシコのチワワ州チワワ市の南南西約120キロに位置。生産方式は坑内掘で、可採鉱量は980万トン(銀品位247グラム/トン、亜鉛品位4・8%、鉛品位2・3%)。粗鉱処理量は2500トン/日を計画している。

 同鉱山から生産される亜鉛精鉱全量は、DOWAグループの秋田製錬に供給される予定で、亜鉛鉱石の安定確保に大きな役割を果たす。同鉱山が本格操業となれば同社の自山鉱比率は約40%まで上昇し、同社が中長期的に目標としている自山鉱比率50%に大きく近づくことになる。

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