V・ファーレン長崎 J1昇格目前 サポーター 記念盾を制作

 サッカーJ2で2位につけるV・ファーレン長崎のサポーター有志が、J1昇格が決まった際、記念に残るものをチームに渡そうとガラス製の盾を制作した。11日、諫早市のトランスコスモススタジアム長崎で行われるホーム最終戦の讃岐戦で昇格が決まる可能性があり「トラスタで選手たちが掲げる姿を見られたら最高」と、夢がかなう日を楽しみに待つ。

 制作のきっかけは、サポーター同士の「2位で昇格したら記念になるものがないね」という会話だった。
 J1にはJ2の上位2チームと、3~6位によるプレーオフを勝ち抜いた1チームの計3チームが昇格。今季は湘南が既に優勝を決めており、V長崎は残り1枠の自動昇格圏に入っている。Jリーグによると、J2優勝チームと、プレーオフを制したチームには記念のシャーレ(銀皿)が贈呈されるが、2位で昇格したチームには何もない。
 長崎市のサポーターグループ代表、坂本雄二さん(48)が10月27日、サポーター仲間のガラス工芸家、竹田礼人(あやと)さん(44)に制作を依頼した。竹田さんが工房にあったガラス板の活用を思い付き、ガラスに文字などを刻めるレーザー加工機がある県窯業技術センター(東彼波佐見町)に協力要請。デザインは東京在住のサポーターで、美容院経営の松本高志さん(45)=南島原市出身=が担当した。
 今月6日、竹田さんらが同センターを訪れ、約3時間半かけて完成させた。縦32センチ、横40センチ、厚さ2センチ。真ん中に「J1」と大きく描き、「We Did it(俺たちはやり遂げた)」との文字を添えた。
 2005年から応援する竹田さんは、ずっしりと重い盾を手に「これまで関わり、去っていった選手や、サポートしてきた人たちの重みを感じる。スタジアムのライトの下でさらに美しく輝くと思う」と感慨深げ。坂本さんは「願いがかなうときがついに来た、という感じ。11日に昇格が決まらなくても、決まるところまで持って行く」と力強く語った。

制作したJ1昇格記念盾を手に笑顔を見せる竹田さん=長崎市、居酒屋「はち蔵」

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